●9月4日●
Page:27

−Day:5 北の大地の制覇へ向かえ!−

※各画像はクリックすると拡大します。












 おはようございます。今日は9月4日です。宗谷本線の全線乗車を果たしたことで、JR北海道の路線で未乗車なのは、苫小牧〜様似間の日高本線を残すのみとなりました。今日、その日高本線を全線乗車することで、晴れてJR北海道線の乗車率が100%となります。もっとも、北海道新幹線の新函館北斗までの開業もそう遠くはないので、いずれ100%が崩れるときが来てしまいますが・・・。

 では、まずは日高本線の起点の苫小牧へ向かいましょう。札幌6:36発の特急スーパー北斗2号に乗車します[①]。気動車であるキハ281系による特急列車ですが、札幌〜苫小牧間のみの乗車ということで、乗車する区間は、全て架線下です。このスーパー北斗2号からスーパー白鳥号、はやぶさ号と乗り継いでいくと、東京には16:04に到着します。

 札幌〜苫小牧間の所要時間は48分。札幌発の北斗系統の列車の初発なので、ビジネスマンとかで混んでいるかもしれないと予想し、50分にも満たない乗車時間ですが、指定席としました[③]。ただ、指定席の乗車率は低く、全体的にかなり空いていました。苫小牧や東室蘭へ行くビジネスマンは、自由席の方を利用しているのでしょうか。

 札幌を出てから最初に停車する駅は新札幌。新札幌副都心の中心駅で、寝台特急以外の全ての列車が停車しますが、そのような立派な駅でありながら、ホームの屋根は4両分程度しかなく、端の方には屋根はありません[④]。なお、写真の通り、今日は生憎の雨です。こういう日なんかは、利用客は屋根のあるところに集まり、屋根のあるところに停車する車両が集中的に混雑しそうです。

 千歳を通過します[⑤]。リュックを背負った高校生やスーツ姿の人が目立ちますが、そろそろ朝のラッシュが始まる頃でしょうか。千歳駅7時台の千歳線下り札幌方面は、6本の普通列車が設定されています(日中は毎時7本なので、実はそれよりも少ないんですが・・・)。南千歳を発車すると、進行方向右側に、新千歳空港に集う航空機を見ることができます[⑥]

 沼ノ端のあたりから、苫小牧の市街地に入ります。そして、マンションなどの背の高い建物が散見されるようになると[⑦]、列車は間もなく苫小牧に到着します。7:24、列車は定刻で苫小牧に到着しました[⑧]。後方の自由席車両からは、ビジネスマンが何人か下車していました。



















 さて、苫小牧駅です。当たり前といえば当たり前ですが、やっぱり「街」なんですよね。市の中心駅である苫小牧駅の周辺がよく発展していることは言うまでもありませんが、1つ札幌寄りの沼ノ端駅、そして3つ函館寄りの錦岡駅のあたりまで、住宅街や工業地帯が線路方向に広く連続的に広がっています。その人口の多さと密集ぶりに応えてか、JR北海道は、1988年11月に、苫小牧〜糸井間に新たに青葉駅を開設したほどです。

 日本を代表するホテルチェーンである東横イン[③]とルートイン[④]が駅前で並びます。今日、明日と苫小牧に宿泊しますが、どちらに宿泊するのかというと、それは東横インの方です。具体的な理由もない感性的レベルで言うと、ルートインの方が好きなんですけどね・・・。これから日高本線に乗車してくるわけですが、荷物を減らすべく、スーツケースはここでホテルに預けておきました。宿泊客なら、荷物くらい先に預かってもらえます。

 7:58発の様似行きに乗車します[⑦]。正直、これから日高本線の全線乗車に取り掛かるのだと思うと、ちょっと気が重くなります。日高本線は、全長142.5kmの長さがありながら盲腸線であり、単純往復するほかありません。また、全線を通して普通列車しか運転されておらず、急行や特急の類が一切ありません。そのような優等列車があれば、単純往復であっても、少しは楽しくなるのではないかと思うんですが・・・。

 結局、特急列車も乗り降り自由な北海道フリーパスを利用していながら、今日乗車する優等列車は、先ほど乗車したスーパー北斗2号(しかもたったの48分)だけです。これから乗る列車は、全て日高本線の普通列車です。ゆえに、今日という日は「普通列車ばっかりで」「時間がかかって」「行きも帰りも全く経路が同じで」「北海道フリーパスのありがたみが薄い」の四重苦を感じる日です。

 日高本線用のキハ40形が、3両編成で苫小牧駅にやってきました[⑧]。8時前ですから、通学での需要に対応した増結ということでしょうか。3両編成という長さでやってきたので、「このまま3両で7:58発の様似行きに充当されれば、全体的にガラガラで快適そう」という期待を抱きましたが、1番線ホームに降りると、編成が分割されていて、後方2両は回送となっていました[⑨]。ははあ、1両ですか・・・。

 日高地方といえば競走馬の名産地。専用塗装が施されたキハ40形には、馬の横顔の絵も入っています[⑩]

























 7:58発の様似行きに乗車し、まずは大狩部という駅を目指します[①]。様似行きなので、このまま終点の様似まで乗ってしまえば、もうそれで日高本線の全線乗車を完了することができますが、今日はこれからの時間の全てを日高本線への乗車に割り当てるので、途中下車もしながら、ゆっくりと往復してくることにしましょう。真っ直ぐ行って真っ直ぐ帰ってきてもつまらないですから。

 車両の塗装が日高本線専用なら、車内も日高本線専用。車内に張り出している便所の外壁に、「日高線の車窓から みどころ満載!」などと銘打った、車窓の見どころを紹介するポスターが貼られています[②]。「喧騒を離れて のんびりと旅をしてみませんか? 日高路はスローな時間が流れています」とも・・・。ただ、旅行以外で利用するのであれば、そのスローさはただの不便さでしかありません。

 車内の片隅に貼り付けられていたシール[③]。「速い・安心・快適JR」。数年前までならば、これら3つの言葉は決して嘘ではなかったでしょう。ただ、現在ではどうでしょうか。特急列車の速度が引き下げられ、その所要時間は軒並み延びました。また、トラブルを繰り返し起こす会社の列車で安心できるでしょうか。快適だけは、もしかしたら現在でも嘘ではないのかもしれませんが、線路の保守で手を抜けば、それは乗り心地に反映されます。

 苫小牧を出ると、約6.6kmに渡って、室蘭本線の線路と並走します[④]。室蘭本線は複線となっているため、並走区間では、3線分のレールが並ぶことになります。苫小牧発車後6分くらいで室蘭本線の線路と別れ、日高本線として単線だけの線路があるところを進むようになります。

 最初に乗客の入れ替わりがあるのは鵡川です[⑥]。かつては富内線との接続駅であるとともに、急行えりも号の停車駅でもありました。そのような事実からも、日高本線の主要駅であることが読み取れます。また、現在でも、鵡川を始発・終着とする列車の設定があります。

 駅構内には側線があります[⑧]。かつての富内線の留置線として使用されていたものとのことです。あと、どうでもいいことですが、高校生たちが側線を渡って駅の裏側に向かっていますね。橋上駅舎のように、駅の東西・南北の両方に出られる駅ならば問題はありませんが、そのうちの片方にしか駅舎(出口)がない駅だと、その反対側に行くには何かと不便です。こうしたくなる気持ちは分かりますし、黙認事項でもあるのでしょう。

 鵡川では上り列車と列車交換を行います[⑪]。そのために9分の停車時間がとられています。様似行きの普通列車は、上り列車の到着を待って鵡川を発車し、富川、日高門別、豊郷[⑬]といった駅に停車して、9:24に下車駅の大狩部に到着します[⑮]


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25
26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46  47  48


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ