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 列車は引き続き山線を進んでいきます。落石防止用と思われる鉄柵が設置されているところもあり、そのようなところでは、まさに「山線」という感じがしてきます[②]。「海線」では見ることのできないものですからね。

 11:25に黒松内に到着します[③]。黒松内とその1つ前の停車駅の昆布は、共に1分以下の停車時間しか設定されておらず、また乗り降りも一切ありませんでした。黒松内は特急北海号の停車駅でしたが、昆布駅は、急行であったニセコ号ですら、急行区間での停車駅とはしていませんでした(普通列車としての停車はあった)。しかも、これまでのヌプリ号・ワッカ号の運転時は通過駅で、今夏の運転より新たに停車駅となりました。謎です・・・。

 留置線も備えた長万部駅の敷地が見えてくると、間もなく下車駅の長万部です[⑤]。そして11:46、札幌から約3時間50分の所要時間をかけて、ヌプリ号は長万部駅に到着しました[⑦]。世代が世代なので、「特急北海号に思いを馳せつつ・・・」というよりは、「山線を特急で通るというのは新鮮な体験だな」という思いを抱きながらの乗車でしたが、文字通り、新鮮かつ面白い体験ができたと思います。

 発車を待つヌプリ号のもとに現れた謎の生物・・・[⑧]。窓越しに中を覗き込んでみたり、膝を曲げてさらに覗き込んでみたり[⑨]。それに飽きたかと思えば、スマートフォンで写真を撮ろうとしている人のところへ近づいたり(ちなみに、この後その人に抱き付きました)[⑩]。長万部町の名産品であるカニ、ホタテガイ、アヤメを組み合わせたものというこの生物は、長万部町のご当地キャラ「まんべくん」です[⑪]

 2分の停車時間を経て、11:48、列車は函館へ向けて長万部を後にしました[⑫]。長万部で降りる人はそれなりにいるのではないか(札幌方面へ戻るのに便利なので)と予想していましたが、実際には、片手で数えられるくらいの数でした。長万部で降りなかった人たちは、やはり、そのほとんどが終点の函館まで乗車するのでしょうね。この時点で降りていない人というのは、そのほとんどが物好きな人たちでしょうし・・・。














 長万部までやってきましたが、すぐに11:59発の特急北斗5号に乗車します。エンジンからの出火などをはじめとする諸々の問題の発生により、2013年7月8日以降、N183系・NN183系を使用する北斗号は全て運休となっていましたが、1年以上の時を経て、2014年8月30日のダイヤ改正で同車が復帰し、運休していた北斗号の運転が再開されました。そんなわけで、この北斗5号も、長きに渡って眠っていたNN183系でやってきました[②]

 今回は登別まで乗車します。1時間6分という所要時間は、指定席券をとるかとらないか迷う(北斗系統の特急は比較的混み合います)ところでしたが、ここは指定席券をとるべき場面ではないと判断し、自由席に乗車しました。乗車した4号車は、自由席車両でありながら、キハ283系の指定席車両などで使用されるuシートタイプのグレードアップ座席が並べられていました[③]

 札幌と函館という道内第1位の都市と第3位の都市を結び、苫小牧や室蘭といった道内の主要な中都市も経由する北斗号・スーパー北斗号は、乗車率が常時高い特急列車です。デッキで立ちんぼうにはなりませんでしたが、窓側の座席に座ることはできませんでした。北斗号の運転再開は、札幌〜函館間の輸送力と速達性の確保に大きく貢献します。

 13:05、登別に到着しました[④]。観光客を中心にまとまった下車がありました。ま、「まとまった下車があった」と言っても、そのうちの何割が日本人か・・・って話なんですが。登別に限らず、ここ近年、北海道を訪れる中国人の数はかなり増えているようです。

 N183系とNN183系の運用が再開されたことで、北斗号の象徴的な存在であったハイデッカーグリーン車が復活しています[⑤]。この後、長万部〜登別間の営業キロが94.7kmであると分かり、100kmまでの特急料金・グリーン料金が適用されていたということを考えて、「特急料金とグリーン料金を別に払ってハイデッカーグリーン車に乗っても良かったかな」と思いましたが、それは後の祭りでした。




























 今日はヌプリ号に乗車するための日でした。それが済んだので、ある意味、今日はもう何もすることがないんですが、だからと言ってここで苫小牧に戻って宿に入るのでは、1日の時間が余りすぎてさすがにもったいないです。そこで、「ただ列車に乗るだけの旅にはしない」という目標の下、余った時間は観光に使おうということで、登別温泉の足湯に入ってくることにしました。

 登別温泉の足湯へはバスを利用します[①]。登別駅前〜登別温泉(=温泉街)間は、1時間に1〜3本のバスが運転され、比較的バスの本数が多いですが、登別駅前〜足湯入口となると、バスは1日に6本しかなく、やや不便です。今回は運よく登別駅前13:15発の足湯入口行きのバスを捉えることができるので、それを利用して足湯入口へ向かいます[②]

 登別駅前から25分ほどで足湯入口に到着しました[③]。もっとも、「入口」の名前がついていますが、すぐそこに足湯があるわけではありません。バス停の標柱の下部に「700m→ 大湯沼川天然足湯」とあるように、ここからまた少し歩きます。バス停の周辺は温泉街の一角で、温泉旅館が複数軒立っていますが[④] [⑤]、温泉街の中心部からはやや離れたところです。

 ここから足湯を目指して歩きます[⑥]。朝、5:00過ぎにはまなす号に乗車したときは雨が降っていましたが、登別のあたりではその後もしばらく降り続けていたのか、坂の上方から雨水が次々と流れ落ちてきていました[⑧]。登別温泉の足湯は「天然足湯」ですから、川を流れる水がそのまま温泉になっています。白く濁った水が絶え間なく流れ、ここが普通の川ではないことを示しています[⑨]

 山の中の小道が足湯へ向かうための道です[⑩]。雨上がりのため、木橋に水たまりができていたり[⑪]、草木に付いた雨水が落下してきたりと、ただ足湯に浸かりたいだけなのに、様々な困難と試練が待っていました。

 温かそうなお湯が流れていますね[⑬]。適当に場所を定めて靴と靴下を脱ぎ、足湯に入ってみました[⑭]。北海道とはいえ、夏はきちんと暑いのに、そこで”温かい”足湯に入るのもどうなのかなと思っていましたが・・・、案の定、浸かる足が熱いだけでなく、気温の高さと湯気も相まって、全身から発汗する羽目になりました。しかし、ここは温泉ではないので、その汗を流せません。なんか、リフレッシュするどころか、かえって不快に・・・。

 これが普通の温泉であれば、上がった後に冷房の効いた部屋で体の火照りを一気に収まらせることも可能ですが、屋外にある無人の足湯のため、そのようなことはできません。上を見上げれば瑞々しい緑があり[⑮]、横を見れば湯気が立ち上る[⑯]というその環境は、まさに「天然足湯」そのものであり、素晴らしいというほかありませんが、ちょっと浸かるには時期が悪かったでしょうか? 秋くらいが一番良いんですかね。

 流れる川・・・、もとい、足湯の音を聞きながら、しばしの休息。自然の中でエネルギーを蓄えます。

 ・・・で、家に帰ってから分かったことだったんですが、私が足湯として利用した場所は、本当の「大湯沼川天然足湯」ではなかったようです。本当の大湯沼川天然足湯は、座るための足場が整備されています。私が座った場所は、砂利と雑草があるだけの川のほとりでした。「こんなところに座って浸かれというのか」という思いは抱いていましたが、やはり、そもそもの場所が間違っていました。その代わり、1人でのんびりと浸かれましたけどね。


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