Page:8
※各画像はクリックすると拡大します。






 スーパーカムイ21号に乗車して砂川へ向かいます。砂川駅は特急列車も停まる駅ということで、もはや秘境駅でも何でもありません。単なる時間調整のための下車です(砂川駅には降りたことがないので、ちょっと降りてみたくなったんです)。車両は789系1000番代です[①]

 789系1000番代は特急型車両ですが、デッキには札幌近郊の路線図が掲出されていました[②]。こういうものは普通、普通列車などに使用される通勤型車両や近郊型車両にあるものだと思っていたので、特急列車の中で見ることになるとは思いませんでした。複数の色の線を使い分けて、快速列車の停車駅も案内していますが、その中にスーパーカムイ号などの停車駅を案内する線は、当然ながらありませんでした。

























 砂川駅にやってきました。砂川、滝川、深川、旭川と続く「●川駅」の最初の駅です。札幌〜旭川間の特急停車駅は、岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川の5つがありますが、砂川駅は美唄駅と並び、その中では地位の低い駅です。どういうことかというと、他の3つの駅は、定期の特急列車は全て停車するのに対し、砂川と美唄は、一部のオホーツク号やスーパー宗谷号など、停車しない定期の特急列車があります。

 では砂川と美唄、どちらの方がより地位が上なのかと言えば、それは、美唄だということになりましょう。美唄駅は自動改札機を設置していますが、砂川駅には、自動改札機は設置されていません[③]。そしてこれは、札幌〜旭川間の特急停車駅では唯一です。

 とはいえ、砂川駅は、人口約18000人の砂川市(人口少ないじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、砂川市の面積は、広大な面積を有している場合が多い北海道の自治体としては珍しく、約78km²しかありません)の玄関口の駅で、駅周辺も、非札幌都市圏で普通列車しか停車しないような小さな駅に比べれば、はるかに街らしくなっています[④] [⑦] [⑧]

 砂川駅は地上駅舎で、出口は駅舎側にしかありませんが、その代わり、東西を結ぶ自由通路が別に設置されています[⑨]。まだ時間があるので、その自由通路を通り、東側(駅舎は西側)に行ってみました。東側の階段を下りてみると、鉄道のレールが飾られているのを発見しました[⑩]

 その説明文によると・・・、このレールは、1994年まで営業していた函館本線上砂川支線(砂川〜上砂川7.3kmを結んでいた支線)の砂川駅ホームへと繋がる跨線橋の構造物として使用されていた古レールで、関西の阪鶴鉄道が発注した、1897年アメリカ製のレールであるということです。その跨線橋は2004年に一部が解体されましたが、そこから発掘されたレールが、このように貴重な遺産として保存されています。

 駅舎のある西口は、砂川の市街地を擁して、一定の発展を見せていますが、駅舎がない(出口がなかった)東口は、西口と比べると、あまり街らしくなっていません[⑪]。あくまで個人的な感覚ですが、北海道の駅は、このような「片側にしか駅舎がない(出口が片側にしかない)」という駅が、特急列車が停車する主要駅クラスでも多いという気がします。

 もちろん、後年、自由通路などを設けて、両方を自由に行き来できるようにした例もありますが、旧岩見沢駅、旧旭川駅は、駅舎が片側にしかなく(旭川クラスでさえそうだったんです)、駅舎のある側からしか出られませんでした。現在でも、滝川、深川、小樽、名寄、士別、倶知安、伊達紋別といった駅でも(後ろが山や海などの立地の都合もありますが)、片側にしか駅舎がなく、駅舎のある側の方が街並みがよく発展しています。

 砂川駅の東口ですが、東西を結ぶ自由通路に接続して、大きな建物があります[⑫]。この建物には、「砂川市地区交流センター ゆう」なるものが入居していて、様々なイベントなどで使用されているようです。また、東口には、駅周辺の案内地図がありますが、大通りがあって主要な施設が集積している西口と比べると、やはり、東口はかなりスカスカとしています[⑬]

 次の列車に乗るために改札口を通過しようとしたところ、「間もなく、2番線から、岩見沢行き、普通列車が発車します」という放送が聞こえてきました。「そんな列車あったかな(まああるんですが)」と思いながらホームに出ると、711系、それも国鉄色に塗り戻された編成が動き出しているのが目に入りました。慌ててカメラの用意をし、写真を撮りましたが・・・、全部ブレブレ、ピンボケ。何とかお見せできるのがこの1枚でした[⑮]















 スーパーカムイ23号で、今度は深川へ向かいます[①]。砂川〜深川間のような短区間であっても、心置きなく特急列車に乗れるのが、この北海道フリーパスの良いところ・・・と言いたいところですが、この区間は普通列車が極端に少ないので、普通乗車券や青春18きっぷを利用している場合でも、特急列車を利用せざるを得なくなる場合も多い区間です。

 向こうに入道雲が見えます[②]。今日は8月の最終日、夏至はとっくに過ぎていて、まだ16時前ですが、もう空は少しずつ暗くなり始めているような気がします。雲が多いということもあってか、青空の鮮やかさもイマイチというか、やや物足りなく見えます。夏のようで、しかし夏ではないようで。間もなく、北海道は、晩夏と呼ぶにふさわしい季節がやってくるのでしょう。

 砂川の隣は滝川です。根室本線の列車でしょうか、キハ40形が見えます[③]。砂川〜滝川の一区間を特急列車で移動するというのであれば、その場面こそは、まさに北海道フリーパスの真価が発揮される場面だと言えます。ただ、今回の旅は普通列車に乗る割合が高く、北海道フリーパスの26230円という発売額の元を取ってこそいますが、相当得をしているというわけでもありません。

 16:05に深川に到着[④]。隣にキハ54形が見えますが、これは留萌本線の列車。それに乗り換えます。


                  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25
26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36  37  38  39  40  41  42  43  44  45  46  47  48


DISCOVER どこかのトップへ

66.7‰のトップへ