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 美瑛駅です。本当はちょっとくらい観光していきたいんですが・・・、帰りをカシオペア号(札幌16:12発)に乗ることにした都合上、今日は観光要素は一切なしという日となってしまいました。当初の予定では、今晩のはまなす号(札幌22:00発)に乗る予定であり、富良野・美瑛ノロッコ2号をラベンダー畑駅で下車し、ファーム富田へ向かう予定となっていましたが、札幌を出る時刻が大幅に早まったために、それはなしになりました。

 富良野・美瑛ノロッコ号は1日3往復が運転されますが、編成は1本しかありません。そのため、12:55に2号として到着した編成は、13:04には富良野行きの3号として折り返して行きます。ノロッコ号の車両が美瑛駅にいられるのは9分しかありません[②]

 3号車に連結されているナハ29002は、富良野・美瑛ノロッコ号専属の車両ではなく、釧路運輸車両所から増結用として貸し出されているものです。ナハ29002は、バーベキューが楽しめる車両「バーベキューカー」となっていて、車両の側面には、鉄板で「BARBECUE CAR」と書いたシートが貼り付けられています[③]。富良野・美瑛ノロッコ号でもバーベキューをさせてくれたら、またひとつ列車の魅力が増えるような気もしますが。

 列車に乗ること自体が目的となりうる富良野・美瑛ノロッコ号は、やはり一般の観光客にも人気のようです。跨線橋から駅構内を見渡してみると、列車が停車しているのとは反対側のホームに、この列車の撮影に夢中になっている一団がいました[⑤]。道内の主要な観光地へ向かう列車は、他にもいくつもありますが、単なる移動手段としてしか認識されない列車であれば、このようなことは起こらないでしょう。

 富良野行きの3号として折り返していくDE15形以下4両の客車の編成ですが、DE15形は尾灯を点けた状態のまま動こうとしません[⑨]。折り返していくのに機回しをしないのか?と思ってしまいますが、本当にその通りで、機回しはしません。富良野・美瑛ノロッコ号では、美瑛・旭川行きはDE15形が先頭に立ちますが、富良野行きは、DE15形による推進運転となります。そして先頭に立つ4号車には、DE15形を制御できる運転台があります。

 一方、私は1番線で旭川行きの普通列車の到着を待ちます[⑩]。富良野・美瑛ノロッコ2号は美瑛止まりですが、13分の待ち合わせで旭川行きの普通列車と接続しているので、比較的スムーズにそのまま旭川まで移動できます。























 1番線にキハ150形がやってきました[①]。富良野線と根室本線で運用される車両は、ラベンダーを思わせるすみれ色と黄緑色の帯が入っているのが特徴的です。方向幕には「マイタウン列車しろがね」と書かれていましたが、この名前は、時刻表や車内放送、発車標には登場しません[②]。旭川〜富良野間を走る列車の「マイタウン列車ラベンダー」とともに、富良野線を走る普通列車の愛称として親しまれて・・・はいないと思います(笑)

 ガラガラなのでクロスシートに座ります[③]。旅行者には、ロングシートよりもクロスシートの方が人気が高く、好まれているとのことですが、私は別にどちらでも構いません。クロスシートは、ガラガラのときは良いですが、混み合いだすと、向かいに知らない人が座っていることへの不快感、下車するときの出にくさ(窓側に座ったとき)が気になってきます。転換式クロスシートであれば、それらの問題はある程度解決されますが。

 富良野・美瑛ノロッコ2号からの乗り継ぎ客も乗せて美瑛を発車。旭川〜美瑛間は、美瑛〜富良野間よりも本数が多く、毎時必ず1本は確保されています。しかし、美瑛から西御料までは、まとまった住宅地なども少なくも、北海道らしい車窓が楽しめます[④]。西御料から旭川までは、旭川市の市街地の中となり、北海道という地名から想像するような車窓は失せてしまいます。

 13:17、千代ヶ岡に到着[⑤]。この駅の全国的な知名度はほぼ皆無でしょうが、実は、鉄道における旭川空港への最寄り駅です。実際、千代ヶ岡〜旭川空港間に無料の連絡バスが運転されたこともありますが、利用客の数が伸びず、ほどなくして中止されました。空港からの視点で考えてみても、旭川駅へ行く方が、様々な施設が揃っていますし、富良野駅へ行く方が、観光にはより便利です。まあ、千代ヶ岡へ連れてこられても・・・。

 ここまで良い天気で、また今日は雨が降るとも聞いていませんが、なんだか雲行きが怪しいようです。並走する道路を見てみると、路面が濡れています[⑥]。また、灰色の嫌な感じの雲が空を覆っています[⑦]。こんな天気になる予定だったかなーと思っていると、間もなく旭川駅に到着するというころ、ついに雨が本格的に降り出しました[⑧]。窓は一瞬で雨粒だらけになりました。

 そんな天気の中、13:40、終点の旭川に到着しました[⑩]。高架化後の旭川駅には、ホームのほぼ全体を覆う大屋根が設けられ、どんな大雨であろうとも、ホームの中ほどにいれば、雨に濡れることはありません。

 列車を乗り換えるために4番線に移動します。その隣の3番線に、785系が停車していました[⑫]。キハ150形と同様にすみれ色と黄緑色の帯を巻いていますが、キハ150形が上すみれ・下黄緑であったのに対し、785系では逆になっています。4号車に連結されているuシート車両は[⑬]、自由席車両よりも上質な座席が配置されていますが、窓も自由席車両の大窓と違い、小窓となっています[⑭]。まるでグリーン車のようですね。



















 カシオペア号が発車する札幌へ向かうべく、13:55発の特急スーパーカムイ24号に乗車します[①]。14:25に出る26号でもカシオペア号に間に合いますが、「札幌駅での滞在時間を長めにし、夜行列車への乗車に備えて、”帰郷”への気分を高める」こととし、24号に乗ることにしました。

 スーパーカムイ26号は789系1000番代での運転でした[②]。指定席を利用する場合は、座席の面において、785系と789系1000番代で大きな違いがありますが、自由席を利用する場合は、特に違いはありません。で、今回利用するのは自由席です[③]。やはり混み合っています。ここまでの時点で、既に北海道フリーパスの指定席券無料発券(6回)の権利を全て使っていたので、指定席は利用できませんでした。

 雨が降る旭川駅を発車するも、トンネルを越えて深川のあたりまでやってくると、青空の広がる天気になっていました[④]。局所的な悪天候だったということでしょうか。そして14:13に深川に到着[⑤]。あれは8月31日のこと・・・、スーパーカムイ号で深川にやってきた私は、留萌本線の列車に乗り換え、秘境駅・北秩父別を目指しました。旅の終わりが近づく中、「ふかがわ」と書かれたプレートを見て、そんな思い出が甦りました。

 滝川を発車すると、ほどなくして空知川を渡ります[⑥]。と、このあたりでなんだか眠くなってきてしまい、居眠りをしてしまいました。カシオペア号での夜更かしに備えてものというわけではないでしょうが・・・(笑)

 そして目が覚めたとき、隣の席に座っていたお婆さんから、飲み物をもらいました。そこから話が弾み、自分も昔は旅行が好きだったとか、静岡で窓を開けるとお茶の葉の匂いが・・・、とか、名古屋の友達と利尻島に行ったときは・・・、など、様々な話を聞かせてもらいました。私は、一人旅では基本的に孤高を守り通すタイプですが、こうやって知らない人を話をすることは、嫌いではありません。

 お婆さんとの会話を続けているうちに、列車は岩見沢も過ぎ、札幌の市街地に入りました[⑦]。間もなく札幌という車内放送を受けて、降車の準備を開始。そして15:20、列車は札幌に到着しました[⑧]。スーパーカムイ26号は、札幌が終点ではなく、新千歳空港が終点です。そのまま快速エアポート号に変わる列車なので、車内に残り続ける人がいるほか、札幌から乗車する人も多くいます。


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