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※各画像はクリックすると拡大します。


















 いよいよ利尻島にやってきました。利尻島には、2つの町と2つの港があり、稚内とのフェリーが行き来する島の玄関口の港・鴛泊港を擁する利尻富士町と[①]、礼文島とのフェリーが行き来する第2の港・沓形港を擁する利尻町があります。

 ただいまの利尻島の気温は22.4度[②]。25度にすら達していないわけですから、十分涼しいと言える気温でしょう。鴛泊フェリーターミナルの周辺は、利尻富士町の市街地で、レンタカー、旅館、ホテル、ガソリンスタンド、消防署などが集まっています。もっとも、市街地と言っても、「利尻島という小さな島においては」という程度のもの。利尻山を中心に展開する山林が迫っています[⑤]

 鴛泊フェリーターミナルの前にある「まごころレンタカー」という、利尻島にしか店舗を持たない小さなレンタカー屋に車を貸し出してもらうことになりました。大手のレンタカーだと、初心者マークをつける人間は貸し渋られるという話を聞いていましたが、事前の電話予約で、初心者マークだが大丈夫かという問いにも、「問題ない」という回答を頂きました(まあ、ここを選んだ理由は、結局「安いから」なんですが)。

 ダイハツのタントが今回の相棒となりました[⑥]。タント、そして軽自動車の運転は未経験なので(うちの車は普通自動車)、運転操作の方法やパワーの違いをうまく咀嚼できるだろうかという心配がありましたが、この点は特に問題にはなりませんでした。あと、安いからか知りませんが、カーナビがありませんでした。こんなこともあろうかと、タブレットをフル充電しておいてよかったです(Google Mapをカーナビ代わりにしました)。

 利尻富士町の市街地を抜け出して、島の外周を周る道路に出てきました[⑦]。今回は、島での滞在時間が5時間30分(数値上の話。実質時間はさらに短い)しかなく、日帰りなので、主な観光スポットだけを巡り、島の外周を一周してフェリーターミナルの前に戻るという予定でいます。

 ※この先、車の車内、あるいは車外から風景を撮影した写真が多数出てきますが、全て正当な手段で停車・駐車を行ったうえで撮影しています。決して運転しながら撮影するような真似はしておりません。予めお知らせいたします。

 稚内港やフェリーにいたときは、今日も雲ひとつない快晴だと喜んでいましたが、実際に利尻島に来てみると、利尻島を象徴する最も重要なもの・利尻山の山頂の方に雲がかかっていました[⑧]。均整のとれた美しい利尻山も、山頂が雲で隠れてしまっているのでは、見ていてもなんだかイマイチなものに思えてしまいます。島にいるうちに晴れてくれないものでしょうか。

 最初に向かったのは、沓形岬公園でした。利尻町に位置するちょっと突き出た岬が沓形岬公園で、広大に広がる海を眺めることができます[⑪]。「沓形岬M INIビジターセンター」と名付けられた屋内型の展望台?もあります[⑫]。海を背にして、「どんとどんとどんと波のり・・・」から始まる、時雨音羽の詩の碑も立てられています[⑮]





























 当たり前と言えば当たり前ですが、「島」と言っても、純粋な円形をしているわけではないので、島の外周を通る道は、右に曲がったり左に曲がったりします[①](もし円形なら、ずっと同じ方向に曲がり続けることになりますね)。また、場所によっては、軽自動車のエンジンを唸らせるような勾配の坂もあり、島の外周の道は、意外と変化に富んでいます。

 次に訪れたのは、仙法志御崎公園です。仙法志御崎公園は、島の外周の道から外れた、ちょっと下に下ったところにあり、ここからも、先ほど訪れた沓形岬公園と同じように、雄大な海を眺めることができます[②]。海水の長年の浸食によって形成されたのであろう特徴的な形の岩々が、この公園の見どころのひとつです[④]。「滑らかさ」とは無縁の、針山のような形をしています。

 ここで、どこからかやってきたカモメと出会いました[⑤]。向こうからやってきたくらいなので、相当人馴れしているようです。ちょうどこのとき、ツアーバスの一行もやってきていましたが、そのバスガイドの方曰く、カモメとウミネコは足の色で見分けられるそうで、足の色は、カモメの場合はピンク色、ウミネコの場合は黄色であるとのことでした。

 人工的に作ったような池のようなものがありましたが、これはいったい何でしょうか[⑥]。池の中をのぞいてみると、なんとゆったりとアザラシが泳いでいます[⑦]。池と言っても、海から隔離された閉鎖空間ではなく、海とは水的に繋がっているので、海にいる野生のアザラシが、自分からこの池に入ってきたようです。池の近くの売店では、アザラシの餌が売られているので、「人がいるから餌をもらえる」と思って入ってきたのでしょう。

 ちなみに、時々アザラシの餌をカモメにやる観光客がいるらしく、バスガイドの方のお話によれば、それで味をしめたカモメが、人から餌をもらうために寄ってきているのかもしれないとのことでした。なお、カモメは誰からも餌をもらえませんでした。

 次に、オタトマリ沼という沼に向かいました[⑩]。利尻富士町にある鴛泊フェリーターミナル前を出発した後、ずっと左回りに島の外周の道を走っていましたが、利尻町を抜け、再び利尻富士町に戻ってきたようです[⑪]

 奥に森、さらにその奥に利尻山を控えるオタトマリ沼は、快晴であれば、沼の水鏡に利尻山が映っているという絶景を見ることができるのでしょうが、運悪く、利尻山の頂上付近にだけ雲がかかっているという状況だったので、どうもすっきりしない水鏡になってました[⑫]。ただ、それでも、沼の水面に逆さまになった利尻山がそっくりそのまま映っている光景は、素晴らしいの一言に尽きます。北海道版逆さ富士です。

 オタトマリ沼には、軽食を提供するレストハウス[⑲]と土産物屋があります。島の地図を見てみると、オタトマリ沼は、鴛泊フェリーターミナルの180度反対側をちょっと過ぎたあたりのところにありました。島の約半分を回ったのでいったん休憩、ということで、レストハウスでソフトクリームを買って食べました[⑳]。ここでしか見られない絶景は、ソフトクリームのおいしさを、より一層引き立ててくれました。

 その後、すぐそばにある土産物屋で土産を購入・発送しました。土産をじっくりと物色していられる時間があるのは利尻島しかなさそうだったということと、どうせ土産を買うなら、札幌や旭川で「北海道の土産」を買うよりも、利尻島で「利尻島の土産」を買う方がよっぽど旅の記念にもなると思ったので、利尻島で土産を購入することにしました。そのため、あまりにもベタな白い恋人は控えめにし、利尻島限定のクッキーを多めに買いました。

 で、2000円以上の買い物をすると、通常は300円で提供されるソフトクリームを100円で購入できる割引券が進呈されるらしく、私も、その割引券を受け取る羽目になりました。なぜ「羽目」なのか? 言うまでもありません。ソフトクリームなら、先ほどレストハウスで食べましたが、割引券をもらった手前、それを使わないわけにもいかず、また使わないのももったいなくて・・・(ソフトクリームを出す売店は、土産物屋のレジの前にあります)。

 まさか短時間のうちに2つもソフトクリームを食べることになるとは思いませんでした。まあ、甘いものは別腹なんですけどね。

























 右手に海が見える区間に入ってきました[①] [②]。オタトマリ沼を出た後の海沿いの区間は、これという観光スポットはほとんどなく、基本的にはただ道が続くだけです。しかし、思わず横に広がる海を見ながら運転したくなってしまう(もちろんそんなことはしませんでしたよ)この海沿いの区間の運転は、普段はなかなか体験できない貴重なものです。

 このような市街地を外れた区間は車通りも非常に少ないので、適宜停車して休憩・写真撮影ができます[③]。私が行う一人旅は、昔は、ある区間をただ単純に往復するだけでしたが、車中泊を取り入れるようになり、ホテルへの宿泊を取り入れるようになり、ホテルに複数泊するようになり、有名な観光地を訪れるようになり、そしてついにレンタカーでの周遊を取り入れました。我ながら、旅の質の進化を感じています。

 野塚展望台にやってきました[⑤]。この島にある展望台は、どれも海が一望できるというもので、いずれも大差がないのは、まあご愛嬌というところで・・・。利尻島は、日本初のネイティブ英語教師であるラナルド・マクドナルドが上陸した地であり、野塚展望台付近には、その上陸記念碑が建てられています[⑥]。野塚展望台まで来ると、島の一周まではあとわずかであり、展望台からは、鴛泊の市街地が見えます[⑨]

 相変わらず雲が残っていましたが、野塚展望台から利尻山を見てみると、その山頂が見えました[⑩]。雲が移動したということもありますが、それ以上に、島の外側をずっと走ってきたので、「山頂が雲で隠れていない側」にまで回ってきたということだったのかもしれません。

 次に、野塚展望台と鴛泊の間にある姫沼を訪れることにしました。オタトマリ沼と違い、姫沼は、山の山腹にあるため、訪れるためには、軽自動車には辛い急坂を上る必要があります(エンジンかなり唸っていました・・・)。島の外周の道路と姫沼の間には、姫沼展望台があるため、姫沼に行ってしまう前に、そこに寄っておくことにしました[⑪]。眺めは、まあ・・・、なんというか、見覚えあるなあと[⑫]

 姫沼展望台に限ったことではありませんが、利尻島にある観光スポットには、駐車場がきちんと整備されています[⑬]。路上駐車禁止区域でなければ、正当な手段に則ったうえで路上駐車をすることもできますが、それでも、路上駐車はできれば避けたいもの。このように駐車場が整備されているのは、私としては、とてもありがたいことでした。

 姫沼展望台からさらに坂を上ったところに、目的地の姫沼があります[⑭]。では姫沼に向かいましょう[⑮]


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