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 札幌からは快速エアポート121号に乗車します[①]。札幌〜新千歳空港間で日中は毎時4本が運転される快速エアポート号は、札幌〜小樽間では毎時2本が運転され、30分間隔で発着します。もちろん、小樽行きに札幌から乗車する人も多く、札幌〜小樽間の速達移動のための手段としても人気を博しています。私も札幌〜小樽間で乗車しますからね。

 そんなエアポート号の混雑から逃れるべく、指定席uシートを利用しましょう[②]。エアポート号の指定席料金は310円で、JR標準の520円よりも安価な価格設定となっています。その310円で確実に座れ、更にクライニングシートを手に入れられるとなれば、利用しない手がありません。通勤や通学で毎日利用しているのならばともかく、たまにしか利用しない旅行者ですから、ここで310円を出すことをもったいないとは思いません。

 稲穂駅の脇にある札幌運転所に、3両編成の711系がいました[③]。その後ろには、24系の姿もありました。711系は2014年度中に運用を終える予定で、24系も、北斗星号・はまなす号の廃止と運命を共にするでしょう。なお、札幌運転所配置の車両ではありませんが、札幌に到着したトワイライトエクスプレス号の24系、カシオペア号のE26系もここに回送されてきます。

 銭函駅を通過するあたりから、線路は海沿いを走るようになります[④]。小樽築港駅の手前まで、海岸線の形に沿って右へ左へとうねります。エアポート号のuシートではA席が海側なので、海側をご希望される方はA席をご指定下さい。銭函〜小樽築港間の海沿いの区間では、基本的には海しか見えるものがありませんが、旧張碓駅付近に、恵比須島という島・・・というか、岩があります[⑤]

 小樽は観光地として有名ですが、例えば小樽築港駅の近くにイオンモールがあるように、なんだかんだ言っても、普通の「街」なんですよね[⑥]。イオンモールがあるから観光地らしくないというわけではありませんが、観光地でも、何も特別な物ばかりがあるわけではなく、そこには平穏に暮らす市民がいて、その中に諸々の観光地があるんですよね。でも、こういうものを見ると、ちょっと萎えてしまうかも?

 南小樽駅に、北海道新幹線の広告がありました[⑦]。「札幌延伸が決定!」と。現状の計画では、北海道新幹線は、北斗系統の特急が走る「海線」ではなく、すっかりローカル線と化した「山線」を経由して札幌に至る予定となっています。札幌という街の大きさは、新幹線を持つに十分なものがあると思いますが、途中経由する街の人口の少なさが気がかりです。特に山線経由となると、室蘭や苫小牧クラスの街もないわけでして・・・。

 さて、間もなく小樽に到着します[⑧]。札幌から32分という所要時間は、立っていてもそれほど苦になる長さではありませんが、310円の指定席料金で確実に座れ、快適に移動することができたのは、大きなことです。快速エアポート号は小樽駅の5番線に到着します[⑩]



















 小樽にやってきました。鉄道ファンが小樽にやってきた、というこの事実だけで感づくことができる方は、たいへん鋭い方だと思います。小樽市にある小樽市総合博物館は、何両もの実物の鉄道車両を保存・展示していることで名高い博物館です。冬季は屋外の車両展示を行わないので、せっかく夏に北海道の来たのなら行くしかない、ということで、小樽市総合博物館を訪れることにしました。

 徒歩でもなんとかなるくらいの距離で、またタクシーを使うという手もありますが、やはりバスが費用対効果に優れていて便利です。駅前にある中央バスのバスターミナルから出るバスを利用します[⑦]。バスターミナルには、鉄道のような自動券売機が設置されており、そこで切符を購入することで、運賃を先払いすることができます[⑧]。小樽駅前から博物館までの区間は220円です。

 3番乗り場から出る祝津・おたる水族館行きのバスを利用します[⑨]。ただし、どのバスでも良いというわけではありません。同じ祝津・おたる水族館行きのバスでも、小樽市総合博物館こと「総合博物館」を経由するものとしないものがあります。この図で言うところの紫色の系統のバスに乗車する必要があり、総合博物館を経由しない水色の系統のバスではいけません[⑩]


















 博物館の前に佇む鉄道車両[①]。かつて秋葉原にあった交通博物館が、入り口の前に0系とD51形のカットモデルを置いていたように、来館者を出迎えるべく設置されているもの・・・なのかと言えば、そうではありません。これはれっきとしたレストランです。その名も「リストランテトレノ」[③]。青色に塗られた旧型客車を客席、車掌車を厨房とした形態の列車型レストランです。

 入り口の前にイタリアの国旗が出されているように[④]、このお店は、イタリア料理を中心に提供するレストランです。博物館の前に実物の車両を使用したレストランがあるということを知り、そして、天塩中川から博物館へ向かうと、ちょうどお昼時に博物館に到着するということが分かったため、昼食をここで摂るということは、予め固く決めていました。手打ちのパスタを使用したというスパゲティを食べてみました[⑤]

 レストランに使用するというだけあって、さすがに現役時代の内装をそのままにしているわけではありませんが、中にいると「ここは鉄道車両なんだな」ということはよく伝わってきます。天井や窓はまさに旧型車両のそれで[⑦]、網棚も、よれよれの「網」を張ったものが存置されています[⑧]。車両の「らしさ」を残しているという点では、三笠鉄道記念館のキシ80よりも上かもしれません。

 私が来店したとき、何やら商談らしきものが行われていました。勝手ながら、ちょっと内容を拝聴してみたところ、「塗装が・・・」「車両が・・・」という言葉が聞こえてきたので、博物館の展示車両の塗装についての商談が行われているようでした。近々塗り直すんでしょうかね。


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