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 富良野駅です。富良野市の中心駅として、また北海道の中でも特に人気の高い観光地である富良野の玄関口として重要な駅ですが、特急おおぞら号が滝川と富良野を経由していたころは、一部のおおぞら号は通過していたようです。富良野でさえ通過してしまうのかと言いたくなるところですが、現在なら停まって当たり前という認識を持たれる駅でさえも通過するところは、まさに「特別急行」というところですね。

 4番線にキハ150形が停車していました[②]。富良野線経由の旭川行きの普通列車のようですが、方向幕に「マイタウン列車 ラベンダー」という記載がありました[③]。しかし、時刻表にはこの列車名は一切記されていません。インターネット上で調べてみても、このマイタウン列車に関する詳細な情報は出てきませんが、特に深い意味はないと考えて良いでしょう。短編成・高頻度運転の「地域密着・生活列車」くらいに捉えましょうか。

 白地に水色と桃色の帯・・・[④]。これを見て、ちょっと懐かしいと感じられる方もいらっしゃることでしょう。この組み合わせの塗装といえば、キハ80系を改造したジョイフルトレイン・フラノエクスプレスの塗装です。車両自体はとっくに廃車されてしまっていますが、「フラノ」の地に今でもフラノエクスプレスを偲ばせるものがあるというのは、鉄道好きとしては嬉しいことですね。

 札幌開業・・・はともかくとして、北海道新幹線が新函館北斗までやってくる日は、そう遠いものではなくなりました[⑦]。2015年度末なので、例によって2016年3月でしょうが、その開業まで、もう1年半もありません。現在、私はJR北海道の路線は全て乗車した状態にありますが、北海道新幹線の新函館北斗開業を迎えると、北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間が未乗車の区間として誕生します。乗りにいかねば。

 次の列車まで少し時間があるので、コンビニを目指しつつ、駅の近くをぶらつきます。富良野は、今年の1月〜2月にかけての北海道旅行でも訪れていますが、あのときは冬、そして今は夏です。それだけに、同じ富良野駅周辺でも、まるで違うものに見えてきます。雪のあるなしだけでも大きな違いを感じますが、冬には稼働するはずがない噴水が稼働しているなど[⑪]、明らかな違いもあります。

 駅のすぐ近くにある富良野ナチュラクスホテルは、今年の1月〜2月の北海道旅行で宿泊したホテルです[⑫]。宿には特にお金をかけるつもりはない私にはなかなかの出費(8600円)を強いられたホテルでしたが、快適だったことはたしかです。新しく違うホテルが造られない限りは、次回富良野で宿泊することがあったら、またここに泊まることになるのではないかと思います。

 駅から滝川方面に300mほどのところに、線路をまたぐ跨線橋があります[⑫]。富良野駅はなぜか踏切が遠く、一番近い踏切でも、駅から約1.1km離れたところにあります。そのため、駅の反対側に行くための最短の経路は、この跨線橋を使う経路となります。

 跨線橋の上からは、遠くにそびえる山々と線路が臨めます[⑬]。札幌駅などと比べればさすがに劣りますが、駅の手前(この場合、写真の奥側から手前に来るときを仮定しています)に分岐器がいくつもある光景は、ターミナル駅の象徴ともいえます。根室本線と富良野線が合流する駅として、富良野駅は交通の要衝ともなっています。

 なんというか・・・、夏の北海道というのは、とにかく「爽やか」ですね。瑞々しい緑と、”水々しい”青空[⑮]。それだけで十分でしょう、無駄な説明は必要ありません。このままずっとここにいて雲を観察してしまいたくなるほどに、気候も景色も爽やかです。

 コンビニで物を買って駅へ戻ります。何かイベントの設営が行われているように見えますが・・・、いったい何でしょうか[⑱]。何が行われるのだろうかと思っていると、「駐車禁止のお知らせ」なるものを発見[⑲]。そこには、「ふらのワインぶどう祭り2014 inまちなか」と書かれていました。なるほど、その準備が行われているということですか。

 歩道の脇には幟も立てられ[⑳]、準備が着々と進んでいることがうかがえます。しかし、ぶどうジュースくらいならともかく、ワインとなると、私はどうにも手出しができません。アルコールが得意とか苦手とかの問題ではなく、年齢的に・・・です。飲酒と喫煙は20歳まで童貞です。
























 札幌〜富良野間を滝川経由で走るという臨時特急・フラノ紅葉エクスプレス号に乗車したところですが、次に乗る列車も臨時列車です。富良野を11:52に発車する臨時のトロッコ列車、富良野・美瑛ノロッコ2号に乗車します[①]

 列車はDE15形を先頭に4両の客車が連なるという編成。客車は4両とも茶色に塗装されていて、どこか旧型客車のような雰囲気もあります[②]。1両目と4両目が50系の改造車、2両目と3両目が貨車の改造車です。トロッコ列車という形で注目されることが多いこの列車ですが、JRでも数少ない客車列車という点でも注目しておきたいものです。

 客車が地味な茶色であるのとは対照的に、先頭に立つDE15形は派手です。DE15形には、連なる山々やラベンダー畑が描かれ、「ノロッコ」と書かれています[⑤]。この派手で鮮やかな塗装は、特に夏の青空の下で映えます[⑥]。青空がDE15形を引き立てているのか、それともDE15形が青空を引き立てているのか。両者は見事な均衡をもってしてそこに存在しています。

 DE15形はヘッドマーク付きです[⑦]。すずらんを描いているそのヘッドマークは、通常のヘッドマークよりも一回りか二回りは大きいかという大きさです。写真の1533と1534の2機がこのノロッコ塗装となっていて、文字通り、富良野・美瑛ノロッコ号専属の機関車として運用されています。

 富良野・美瑛ノロッコ号のイメージキャラクター・・・というのか、客車に貼り付けられているシールには、亀が描かれています[⑨]。亀のようにのんびりと走る列車であることを伝えているようです。普通列車でも40分あれば移動できる富良野〜美瑛間を、富良野・美瑛ノロッコ2号は1時間3分をかけて走りますから、たしかに「ノロい」ですね。JR北海道のノロッコ号は、ノロさを売りにできる稀有な存在です。

 1号車の座席が指定された指定席券を所持しているので、1号車に乗り込みます。4両の客車が連結されていますが、普通の座席は1席もありません。車内に設置されている座席は全て木製で、クッションもありません[⑪]。座席と言うよりは「ベンチ」と言った方がしっくりきそうな気がします。なお、レール方向に設置されたこの座席は、転換式クロスシートの要領で背もたれを動かすことができます[⑫]

 窓越しに見える大自然と車内に入り込む風を味わうべく、1号車と4号車には、外に向けて設置された座席があります[⑭]。外を見たいと思ったときに首を横にひねる必要はありません。そのままただ座っているだけで、富良野・美瑛の自然がいっぱいに広がり、そよ風がやってきます。線路方向に設置された座席・・・、ロングシートは、旅行者には不評の存在ですが、こういうロングシートなら、誰も文句はつけないでしょう。

 もちろん、1号車と4号車には、枕木方向に設置された座席もあります[⑮]。固定式の木製のテーブルを挟んで設置され、ボックス席のような形態になっています。背もたれは肩にも見たない低さなので、後ろの人と頭をぶつけあわないように・・・。


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