885系の特徴といえば、普通車・グリーン車ともに、座席が全面革張りのものになっているということでしょう[①](写真は普通車の座席)。見た目の高級感はありますが、別に特別座り心地が良いということはなく、クッションの詰め方が良くないのか、それとも座席の形状が悪いのか、むしろ居心地はイマイチです。特に背もたれに背中を預けると、革製から来る滑りやすさのためなのか、背中が落ち着きません。
なお、「滑りやすさ」について言うと、以前は、座面も非常に滑りやすく、振り子を作動させたり、うとうとして姿勢が崩れたりしてくると、そのまま腰が前方に滑り落ちそうになることがありましたが、座面の縫い目を増やすことで、その問題を解決しています。座席の写真をご覧いただくと、より理解しやすくなるかと思いますが、座面の縫い目は、以前は一番背もたれ寄りの1本だけでしたが、やや幅の狭い縫い目が3本追加されました。
ひとつ上の段で、元かもめ号用編成であることの名残についてのご案内をしましたが、車内にも、「元かもめ号用編成」の痕跡がありました。窓下の框部分に、「KAMOM E」と書かれたロゴが刻印されていました[③]。また、背もたれの裏側にある切符入れ(2番の写真を参照)にも、鴎が翼を広げた様子を思わせるロゴ(マツダ車のエンブレム風)が残っていました。
さて、かもめ22号で新鳥栖を目指しますが、長崎の次の浦上で「反対列車が遅れているため、反対列車の到着を待ってから発車します」などという放送が。昨日はシーサイドライナー号で大幅な遅延を食らいましたが、今日もまた遅延が発生しているようです。お盆でもない平日の真っ昼間に、いったらどうやったら遅れが発生するのやら。それを改善できないなら、とりあえずとっとと複線化してはいかがでしょうか。
喜々津駅の手前で、長与経由の旧線と合流します[④]。新線も旧線も単線ですが、新線の方は電化されており、特急かもめ号をはじめとする電車の列車が行き来します。合流駅である喜々津は通過するため、浦上の次の停車駅は諫早です。
長里〜肥前七浦間では、列車は有明海沿いを走り、車窓にも有明海の景色が広がるようですが、指定券で指定されていたのは山側の座席であったため、私は、その素晴らしいであろう眺めを全く見られませんでした。有明海を見られる区間があることをすっかり忘れていた、というより、最初から全く意識していなかったので、昨晩に指定券をとるときも、列車名と区間だけを伝え、どちら側の座席かまでは希望しませんでした。
佐賀平野の田園地帯を疾走していきます[⑤]。右も左も真っ平らな土地で、ほとんどアップダウンがありません。遠くの方には山が見えていますが、そこまでは、「地上の水平線」が続くがごとくで、一段高くなっているところを見つけることさえ困難です。
佐世保方面へ向かう佐世保線と、肥前山口駅の手前で合流します[⑥]。昨日は、佐世保線と大村線を経由して長崎を目指しました。「特にJR線の全線乗車を目指しているということはない」という方でも、行きは佐世保線・大村線経由、帰りは長崎本線経由などというようにすれば、行きと帰りで違う経路にすることができ、変化をつけられます(肥前山口〜博多方面は長崎本線だけ)。
肥前山口と佐賀に停車し、列車は新鳥栖に到着しました[⑦]。列車の遅れについては何も言っていなかったので、「余裕時分と回復運転を使って持ち直したのかな」と思いましたが、実際には、4分遅れの13:50に到着していました。「お急ぎのお客様には・・・」という謝罪まで言う必要はないですが、せめて「4分遅れでの到着です」と、現在の事実くらい言ったらどうなんでしょうか。
4分程度の遅れに目くじらを立てることはない、と言いたいところですが・・・、実は新鳥栖で、13:50発のさくら553号に乗り継ぐ予定でした。もともと、「4分という短い時間での乗り換えは成功しないかもしれない」と思っていたので、一応、次の列車になっても問題がないような旅程を組みましたが・・・。
まあ、「JR九州の定時性については、晴天・平日の真っ昼間でさえ信用してはならない」ということを学習できましたね。
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