今日はこの後、芸備線の備後落合〜備中神代間を攻略し、新見で宿泊する予定です。しかし、次の芸備線新見方面の列車は、14:34発の新見行きまでありません。1つの駅で2時間以上も列車を待つというのは、見どころや物に溢れている大都市の駅でさえ厳しいものがありますが、何を隠そう、ここは山間の秘境駅・備後落合。このような駅で2時間以上も列車待ちをするというのは、ちょっと無理があります。
そこで、私は、折り返し木次行きの奥出雲おろち号に乗車して三井野原へ向かい、そこから再度備後落合へ戻ることによって時間を潰すことにしました。今しがた降りたばかりですが・・・、再び奥出雲おろち号へ乗車しましょう[①]。先ほどの下り列車で備後落合にやってきた人たちも、私と同じように、皆この折り返しの上り列車に乗車していました。まあ、駅の環境と乗り換えの事情を考えれば、するべき行動はこれしかないですよね。
私は2つ目の三井野原で下車します。所要時間は25分。短いと言えば短いですが、2つ隣の駅であるということを踏まえると、比較的長いと言えます。トロッコ車両は十分に楽しんだので、ここはあえて控車に乗車し、「客車列車の旅」を楽しむこととしました[②]。
客車列車で夜汽車の旅を楽しむことは、今となってはもはや困難ですが、「昼汽車」であれば、この奥出雲おろち号を始めとして、SL列車など、まだ機会はあります。客車列車独特の雰囲気、音、加速、減速、走りの質感など、ありとあらゆるものを五感で体感しておきます[③](味覚はないか)。個人的には、座席が特急型車両から回してきた簡易リクライニングシートではなく、正規のボックスシートだと嬉しかったんですが・・・。
窓の外を緑が流れます[⑤]。冷房がキンキンに効いたガラガラな控車でゆったりと過ごす時間・・・、良いものですね。せっかくの奥出雲おろち号ですから、もちろんトロッコ車両を何よりも楽しみたいものですが、この控車も、また違った視点からの楽しみを提供してくれます。
備後落合から25分で三井野原に到着しました[⑥]。上り木次行きの場合、スイッチバック区間を除き、機関車が先頭になります。「半室未満で狭苦しい客車の運転室より運転しやすそう」と思いたいところですが、入換での使用を前提に造られたDE10形は、運転席を移ることなく機関車を前後へ動かせるよう、運転台がレール方向に設置されています(運転席に座ったまま首を左右に向けて運転すればよい)。
頻繁に進行方向が変わる入換には良いかもしれませんが、奥出雲おろち号の場合、旅客列車であり、スイッチバック区間を除き、ずっと同じ方向へ動き続けます。となると、運転士は首をずっと回したまま運転するか、あるいは、顔はほぼ正面を向きながらも(運転席は一応回転する)、腕が運転台へ向けて斜めに行ったまま運転することになります。これ、結構運転しにくいような気が・・・。
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