次に乗る列車は、19:03発の若松行きの列車です[①]。今私が降り立ったのは2番線であり、ひとつ隣のホームへ行くわけですが、事はそう簡単にはいきません。両ホームは跨線橋や地下通路で直接結ばれてはおらず、仮設感溢れる通路を歩き、階段を上って3番線ホーム(鹿児島本線)に上がり、そこを通り抜けて階段を下り、2度90度に折れ曲がる通路を進んで、ようやく1番線に到着します。隣のホームへ行くだけなのに200mほど歩きます。
1番線ホームとキハ40系が見えてきました[②]。ひとつ隣のホームへ向かうだけだというのに200mも歩かされる駅がどこにあるでしょうか。この他、5番線以下と6・7番線間を移動するには、いったん改札の外に出て屋外で連絡する必要があるなど、折尾駅の構造は非常に複雑です。現在、高架化工事が進められており、これが完成すると、3か所に分散している出口には1つになり、各ホームは高架下で結ばれるようになります。
非電化である折尾〜若松間を、キハ40系の普通列車に乗って移動します[③]。原田〜桂川が非電化、桂川〜折尾が電化と来ましたが、残された折尾〜若松はまた非電化となります。もっとも、いかにも「取り残されてしまった」感のある原田〜桂川とは異なり、折尾〜若松は複線となっているほか、毎時2〜4本程度の列車が運転されています。
夕暮れの折尾駅を後にします[④]。終点の若松まで、住宅地や工業地帯の中を走っていくので、非電化で気動車が走っていると言っても、寂れているという印象にはなりません。折尾から2つ目の二島を出ると、進行方向左側に国道199号線が現れ、終点の若松に至るまで、間にカーディーラーや商業施設などを挟みながら、ほぼずっと若松線の線路と平行していきます[⑤]。
19:17、藤ノ木に到着[⑥]。筑豊本線の盲腸線区間ですが、北九州市内にある駅ということで、長距離乗車券における「北九州市内」の駅になっています。若松線の駅では、最も利用客の少ない駅となっていますが、数人の降車がありました。
藤ノ木の次は終点の若松です[⑦]。これにより、若松〜原田間を結ぶ筑豊本線の全線乗車が完了しました。また、福岡県北部を中心に形成されている、JR九州の入り組んだ路線網を攻略することに成功しました。
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