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 加古川行きの普通列車に乗り換え、加古川を目指します。車両は2両編成の103系3550番代です[①]。様々な改造がなされ、正規の103系からはややかけ離れたものになってしまいましたが、今もなお現役で活躍を続ける103系のうちのひとつであることに変わりはありません。

 この103系は方向幕を使用していますが、どうやら、もともとは違う形式で使用するはずのものを流用しているようです。というのも、幕のコマの位置はズレていないはずなのに、上部が切れてしまっているんです[②]。ごく僅かに下部が余っているので、若干上方向にズレている可能性も否定できなくはありませんが、もしそうだとすれば、僅かなズレも許されない、非常にシビアな位置調整を求められる、扱いにくい方向幕であると言えます。

 西脇市を発車します[③]。加古川線は全ての列車が普通列車であるため、当然、この列車も普通列車です・・・、と申し上げておきますが、一方で、方向幕の対照表を見ると、「快速加古川」「快速谷川」といったコマの存在があることが分かります[④]。かつては、加古川線で快速列車が運転されていたこともありましたが、長続きはせず、結局廃止されてしまいました。

 各駅に停まりながら加古川を目指していきますが、途中の粟生駅は、ひとつ注目しておくべき駅であると言えるかもしれません。この粟生駅は、JR線の接続路線はありませんが、神戸電鉄と北条鉄道の各路線に接続しています[⑤]。加古川線を含めると、都合3つの路線が集う駅ということになり、加古川線内における中核駅と言うことができます。

 その粟生を出ると、左から北条鉄道の気動車、加古川線の125系、神戸電鉄の電車という並びを見ることができました[⑥]。3つの会社の3つの路線が集う駅、粟生を象徴する光景であると言うことができましょう。

 住宅街が見えてくると、だんだんと加古川に近づいていることを実感します[⑦]。そして終点の加古川の1つ前の駅、日岡に到着します[⑧]。この駅は、加古川駅を中心として広がる住宅街のうち、北東方向に伸びている住宅街の端部にある駅で、逆に言えば、加古川市街地への入り口の駅であるということもできます。

 単線の高架橋を駆け上がり[⑨]、山陽本線の複線電化の高架橋が迫ってくれば[⑩]、そこは終点の加古川です。13:31、列車は加古川線専用ホームの5番線に到着し、同時に、加古川〜谷川間を結ぶ加古川線の全線乗車を完了しました[⑪]

 谷川口ではあんなにも少なかった列車本数も、加古川口では、毎時2本は確保されています[⑫]。時間帯によっては、1時間あたり3本の列車が設定されており、谷川口に比べると、幾分便利になっています。














 加古川駅にやってきました。この駅は、通過するだけならば、今までにも何度も通っていましたが、下車するというのは初めてです。

 加古川駅の特徴的な光景として、加古川線乗り場の前に設けられた中間改札口があります[①]。加古川線の各駅はICカードの利用ができず、また無人駅も多いため、ICカードを利用したまま加古川線の各駅へ行ってしまうことを防いだり、あるいは運賃不足の乗車券を利用した不正乗車を防いだりする(この中間改札を通れるということは、即ち、加古川線の各駅まで有効な乗車券があることになる)目的があるのではないでしょうか。

 人口約26万6000人の加古川市。加古川駅は、その中心となる駅です。この街が都会と言えるかどうかは分かりませんが、今日これまでに通過してきた市町村と比べれば、格段に人口が多いことは間違いないわけで、駅構内や駅前にいる人の数が増えているを見ると、「ああ、ここは街なんだな」ということをしみじみと感じます[②] [③] [④]

 次は山陽本線の列車に乗車します。加古川線ホームの駅名標は、同線のラインカラーとなっている青緑色が配されていますが、山陽本線ホームの駅名標は、JR西日本標準の青色が配されています[⑤]














 14:06発の新快速に乗って目指す先は、同列車の終点の姫路です[①]。所要時間は僅か10分で、普通(快速)列車を利用した場合でも、17分程度で到着できます。となれば、別に新快速でなくても何ら問題はないわけですが、何せ今日は「普通列車にしか乗らない苦行の日」です。わざわざ新快速をご指名しての乗車ですが、そこは、普通列車しかないというこの地味な日に、少しでも「彩り」を加えるためということで・・・。

 普通の転換クロスシート部は満席でしたが、補助席が空いていたので、そこに座ることにしました。併結しているもう一方の編成が見えます[②]。この新快速は8両編成ですが、8両貫通編成による運転ではなく、2つの編成を併結しての運転でした。

 運転台の速度計に目をやると、その針は130km/hを指していました[③]。130km/hを出しているときの車窓の流れ方といったら、今日これまでに乗ってきた路線の95km/hや85km/h、そして加古川線の例の25km/hなどと比較すれば、それはもう格段に違います。特急列車顔負けのその速さは、今日1日中普通列車に縛られなければならない身にとっては、一種のオアシスとも言うべきものでした。

 ひめじ別所を通過した後あたりから、山陽新幹線の線路が近づいてきて、以後、姫路に到着するまで、山陽本線と山陽新幹線は、ほぼ並行しながら西へ向かっていきます[④]。そして列車は姫路に到着[⑤]。僅か10分のオアシスはここで終了、また普通列車地獄に耐えないと・・・。


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