薩摩塩屋の1つ枕崎寄りの駅、白沢[①]。ここも1日平均の乗車人員は1人程度で、薩摩塩屋と同じような状況下にあります。
住宅などはホームのない側とホームの山川寄りの方に集中しており、ホームの枕崎寄りは、建物などもほとんどなく、非常に開けています。綺麗に区画整理がなされた畑の向こう側には、向こうにある陸地が全く見えず、水平線だけが横切る東シナ海が見えます[②]。そんな東シナ海の近くを、指宿枕崎線が、南の果てを目指して通っています[③]。
単式1面1線。利用客の数は非常に少ないながらも、やはり薩摩塩屋駅と同様に、椅子と雨除けの屋根は用意されています[⑤]。破線で引かれている白線も共通項です。いや、もっと言えば、指宿枕崎線の戦後延伸区間(山川〜枕崎間)は、戦前〜戦中時の終着駅・山川と、主要駅の西頴娃、そして終着の枕崎を除き、基本的に「駅舎なし・単式1面1線・椅子と屋根あり・破線の白線」という造りになっています(一部「椅子だけない」などあり)。
ホームから東シナ海が見えたので、「もしかしたらかなり近寄れるのでは」と思い、海の方を目指して歩いてみました[⑥]。主は昔からこの地に住んでいると思われるような一軒家が多数集っています。頑張って歩き、海がより大きく見えてきましたが[⑦]、それでも海岸まではなお距離がありそうで、このまま進んだ場合、次の列車に間に合わなくなってしまう可能性を予感したため、ここで引き返すこととしました。
東シナ海を行く3隻の船[⑧]。大きさから考えると、やはり漁船というところでしょうか。写真の左側が指宿方面、右側が枕崎方面ですが、これらの漁船は、いずれも枕崎方向(右)へ進んでいます。枕崎駅から歩いて600mほどのところに漁港があるので、そこへの帰還途中なのでしょう。
「線路に雑草が生えてきた」のか、「雑草があるところに線路が敷かれた」のか[⑩]。後者と言ってもあながち間違いではないくらいに、指宿枕崎線の線路には雑草が生い茂っています。レールもお世辞にも綺麗な曲線を描いているとは言えず、かなり「カクカク」しています。その線路上にある、警報装置がなく、踏み板だけを設置した第4種踏切。「ローカル線」って感じですねぇ。
白沢駅を見守るように聳える1本のヤシの木[⑪]。仲間はなく、ただ1人で、雨の日も風の日も。葉は風にそよそよと揺れ、時間は流れる・・・。
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