2両目の車両に乗車しました[①]。乗客は2両とも少なく、「利用客が少ない時間帯だからこそ途中駅での乗降は一切割り切っている」とか、「そもそも列車設定の意図と実際の需要に齟齬があるのでは」、「いや、高校が夏休みならこんなものだろうか」などと考えましたが、発車間際になって、「土曜日の行楽に出かけます」という雰囲気で満々の人たちがたくさん乗り込んできました。
新飯塚を出ると、筑豊本線との並行区間が一切ないままに、すぐに同線と分かれます[②]。後藤寺線は地味な路線ですが、福岡県東部の田川地方と福岡市を新飯塚経由で短絡する、という役割を担っています。毎時1〜2本はあるので、短絡路線としての実用性もあります。
最初の通過駅は上三緒[③]。「最初の」と書きましたが、この快速列車は、後藤寺線内の途中駅は全て通過してしまうという列車です。始発の新飯塚を発車したら、終点の田川後藤寺に到着するまでの16分間、運転停車も行わずに、一度も停まることなく走り続けます。
下鴨生〜筑前庄内間に、後藤寺線唯一のトンネル、入水トンネルがあります[④]。全長は553mほど。これが例えば全長5000mであるならば、路線距離の約37.5%はトンネルである・・・などという話が展開できますが、553mという至って普通の長さでは、正直、これ以上コメントのしようが・・・。
船尾駅の周辺には、麻生セメント田川工場が展開しています。石灰石や粘土の採掘場の脇を走ったり、幾重もの鉄骨が物々しい工場施設が眼前に迫ったり、工場の通路が線路の上を通過していたりと[⑤]、まるで工場の専用線内に入ってしまったかのような車窓が繰り広げられます。船尾駅自体も、公道と工場の私有地の境目くらいに位置しており、あたかも工場に勤務する社員の専用駅かのような雰囲気を漂わせています。
中元寺川を渡ると、終点の田川後藤寺はまもなくです[⑥]。新飯塚から16分で、列車は終点の田川後藤寺に到着しました[⑦]。これの折り返しは普通列車ですが、この後、9:50発の新飯塚行きの快速列車があります。1日1往復のみの快速列車は、上下とも午前中の運転です。
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