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 特急ゆふ3号に乗車し、久留米〜大分間を結ぶ久大本線を走破したうえで、日豊本線に乗り入れて別府へと向かいます[①]。同じ久大本線の特急列車に乗るのならば、やはりゆふいんの森号の方が良かったんですが、時間が合いませんでした。

 「金曜日に湯布院方面に向かう列車だから、それなりに混んでいるかな」と想像していたところ、実際、指定席は通路側しかありませんでした。しかし、窓側に座れなければ気が済まないという性分の人間には、それは耐え難いことです。結局、「とりあえず自由席車両に乗り込んで、窓側が空いていればそこに座る、空いていなければ指定券の座席に行く」という方針を採択。自由席車両で窓側の座席を得ました[③]

 久留米を発車してからしばらくの間は、鹿児島本線の線路と並行します[④]。その区間では、3線の線路が綺麗に並行し、更に九州新幹線の高架橋も並行しています。鹿児島本線と久大本線が並行しだしてから1700mちょっとのところで、ようやく両線は枝分かれ[⑤]。九州新幹線と西鉄天神大牟田線の高架橋をくぐって、進路を東へとります。

 久大本線内の最高速度は95km/hで、単線・非電化、特に高速化工事などもされていないので、ゆふ号は、特急列車としては比較的のんびりと走ります。駅の通過も、2線以上ある駅はY字分岐となっている場合がほとんどなので、ゆっくりと通過します[⑥]。とはいえ、九州を横断し、久留米と大分という都市同士を結ぶ路線なわけですから、高速化をしてみる価値はあるようにも思います。

 筑後吉井には4分間停車し、その間に、博多行きの特急ゆふいんの森2号が通過していきます[⑦]。単純に、まだ乗ったことがない列車(車両)だから乗りたい、というのもありますが、今やJRの列車としては貴重な供食設備(カフェテリア)を設けているという点でもかなり惹かれる列車です。

 14:14、豊後森に到着。ななつ星in九州の運転開始に合わせ、駅の改装が行われ、その結果、駅名標は、JR九州の標準様式から外れた、茶色で統一された独自の様式のものとなりました[⑧]。ここでは、豊後森始発の14:16発の日田行きと遭遇[⑨]。久大本線には、全線を通して走る普通列車はなく、特急列車のみが久留米〜大分間を直通で走っています。

 福岡県と大分県の山間を走っていく久大本線は、緑が豊かな路線です[⑩]。九州を横に横断しているため、海が現れないことが保証されてしまっていますが、山々の緑とせせらぐ小川は、これはこれで良い車窓であると思います。

 14:41、久大本線随一の観光地である湯布院への玄関口、由布院駅に到着しました[⑪]。まあここで降りる人の多いこと。金曜日ということで、湯布院へ向かう人たちが数多く利用していることであろうと思っていましたが、本当にその通りでした。まあ、日本人の割合は・・・ですが。

 由布院で、ななつ星in九州に出会いました[⑫]。運転計画などは全く調べていないので、これは偶然の出会いでした。「見れば見るほどまさにゴキブリのよう」などという悪口は置いておいて、ホームに居合わせた人たちが見物や撮影に勤しむなど、一般的にはやはり注目の的のようです[⑬]。漆色に金色の装飾、とりあえず木を使っときゃいいんだろというような内装など、「華美こそが正義」で終わっている車両という印象[⑭]























 手つかずの木々が生い茂る山を控えている駅ですが・・・、運転停車をしているわけではありません。これは営業停車です[①]。14:56に到着する湯平は、片や人っ子一人いないただの山、片や一段上を走る国道210号線がなすコンクリート壁と数軒の民家という、なぜ特急列車が停車するのか不思議に思わされる駅です。 湯平温泉への最寄り駅らしいですが、3.5kmも離れていて、交通手段もタクシーのみとのこと。

 久大本線内最後の途中停車駅、向之原は、大分方面から来た普通列車が多数折り返す駅です。列車運転上の拠点駅ということは、乗務員にとっても業務上の拠点駅となるわけで、古めかしい木造建築の休憩所が置かれていました[③]。ここで上り特急ゆふいんの森4号と列車交換[④]。1日に3往復が設定されるゆふいんの森号のうち、1往復は博多〜別府間での運転で、久大本線を一気に攻略するのにも使えます。

 久大本線の終着は大分。その大分は、現在は高架駅となっています。単線の高架橋を駆け上がり[⑤]、ついに完成した巨大な駅ビルも擁する大分駅構内へと進行[⑥]。久大本線の起点・久留米から2時間35分をかけて、同線の終わりである大分に到着しました[⑦]。2年前の8月にも九州を旅していて、そのときにも大分駅を訪れていますが、当時はまだ駅ビルが建設中であったなど、今とは異なった状態でした。

 由布院発車後も乗車し続けていた人のうちの多くは、ここ大分で下車していきましたが、なぜか大分から乗車する人もいました。私のように特急も乗り降り自由なフリーきっぷを使っているというのであれば、まだ分かりますが、そうでないなら、何たるブルジョアか。

 大分〜別府間は複線電化の日豊本線となります。西大分〜別府間では、別府湾を車窓に見ることができます[⑧]。架線や架線柱、そして片側3車線の幹線道路などが目に付いてしまいますが、これまでずっと山間部を通ってきた身にとっては、久々に海が見える区間ですから、ついつい窓に張り付いてしまいます。線路が進んでいった先にある別府市街が見えてくれば、終点の別府もまもなくです[⑨]

 15:43、特急ゆふ3号は終点の別府に到着しました[⑩]。由布院と大分で下車した人はやはり多く、別府まで乗車した人は少ないものでした。この後、折り返しの特急ゆふ6号となりますが、その発車まで2時間あるためか、いったん引き揚げるようで、方向幕は「回送」となりました[⑭]























 久大本線を走破した後、大分で降りるか、それとも別府で降りるか。2つの選択肢を突きつけられましたが、大分は降りたことがあるが別府はない、ということで、ゆふ号を終点まで乗り通し、別府で下車しました。

 上段で見ての通り、別府駅は高架駅となっていますが、「交通渋滞の解消云々」を目的として最近高架化がされたものではなく、1966年8月には高架化がなされたという、非常に長い「高架歴」を持つ駅です。では、たいそう古びた駅であろう・・・といえばそんなことはなく、2005年2月に完了した改装工事により、内外ともに温泉地への玄関口として人々を出迎えるにふさわしいものになりました[①] [②]

 温泉街まで行かなくても温泉地としての雰囲気を味わってもらうということなのか、東口の駅前には、手湯が整備されています[④]。手を浸からせるだけなので、本当の温泉はもちろんのこと、熱海や鳴子温泉などにある「駅前足湯」よりも更に気軽に利用できます。ただし、別府市はとにかく温泉だけが売りな街というわけではなく、人口約12万人の県第2位の都市でもあります。駅すぐそこにある家電量販店は、都市機能の表れです[⑤]

 どの都道府県にも国立大学があるように、銀行もまた地域ごとのものが各都道府県にあります。その支店が別の都道府県にも進出しているというのは、別段おかしな話ではありませんが、なぜか愛媛県を地盤とする伊予銀行の支店が別府にあります[⑥]。四国内の香川、高知、徳島ならともかく、なぜ海を渡って九州の大分に? 八幡浜〜別府にフェリーがあるように、大分と愛媛はかねてより交流があるということなのでしょうか。

 別府駅は大通りからは離れたところにあり、東口から550mほど歩いて、ようやく大通り(国道10号線)に辿り着きました[⑧]。別府の有名観光地のひとつ、別府タワーは、国道10号線沿いにあります[⑨]。また、海と国道10号線の間には、「北浜公園」と名付けられた広場があります[⑩]

 ホテル街の裏を歩いていると、野良猫に出くわしました[⑪]。私が目にしたのはこの1匹だけではなく、他にも数匹の猫がいました[⑫]。北浜公園の近くは、どうやら野良猫の住処となっているようです。もっとも、何もしていないのにたくさんの野良猫が住みつくはずはなく、11番の写真の左側には、野良猫への餌やりを糾弾する掲示が・・・。

 場所は変わって別府駅西口[⑬]。こちら側は「裏口」にあたりますが、別府市役所などは西口側にあります。


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