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 金沢駅にやってきました。金沢駅にやってくるのは2010年1月以来で、約5年半ぶりです。そのときは489系の夜行急行能登号に乗ってやってきましたが、今回は北陸新幹線のかがやき号です。今や能登号も北陸号もなく、しかし一方で北陸新幹線が新たにできました。この5年半という時間によって、北陸地方を取り巻く鉄道事情も大いに変わりました。

 金沢駅の新幹線ホームは、北陸新幹線の金沢開業によって新規に生まれた新幹線駅の中でも、特に手の込んだものになっています。屋根を支える柱に金箔のパネルを取り付けたことは、その一例と言えます[②]。新幹線と金箔といえば、800系の増備車で、一部の車両において、デッキとの仕切り壁を一面金箔にしたというものがありますが、今、金箔は車両のみならず、ホームの方にも進出してきたようです。

 新幹線ホームにはホームドアがありますが、そこに貼り付けられている乗車位置案内に、「大阪側ドア」という表記を発見しました[④]。ちなみに、反対側は「東京側ドア」です。現状、新幹線は金沢止まりなのに大阪側?とも思いましたが、単に「方向」を示すための例として大阪を使用しただけのことでしょうか。いや、やはりこれは、将来の大阪延伸への思いを込めてのことなのではないか、とも思ってしまいます。

 駅構内は、多くの人で溢れ返っていました[⑥]。ここは金沢駅で、かつ帰省ラッシュ真っ只中の8月13日ですから、例年も、このあたりの時期は人が多かったことでしょうが、北陸新幹線の金沢開業により、新幹線を利用して金沢にやってきたという国内外の観光客も結構いるはずですから、例年よりも、その人出は多くなっているのではないでしょうか。

 駅構内の通路に氷柱が置いてありました[⑦]。さすがにこんなものに注目しているのは私くらいでしたが、旅をしているときの私は、とにかく感受性が豊かになります。目に入り、気になったものは、何でも写真に収めておきます。いやぁ、デジタルカメラ隆盛の時代で良かったです。

 新幹線ホームも手が込んでいますが、東口側の駅舎と駅前は、更に手が込んでいます。縦横無尽に張り巡らされた柱が巨大なガラス張りの傘を形成し、金沢駅へやってきた人たちを風雪から守る「もてなしドーム」は、金沢駅の何よりもの象徴です[⑧] [⑨]。もてなしドームの先には、これまた巨大な「鼓門(つづみもん)」があり[⑪]、駅を訪れた観光客は、次々とこの鼓門をカメラで撮影していました。

 駅前にある噴水は、夏場には、見る人々の心を気分的に涼しくさせます[⑫]。その隣には、「水の電光掲示板」とでも言うべきものがあり、噴出する水によって現在の時刻を表示したり、「WELCOME」などの歓迎の言葉を表示します[⑬]

 一方、こちらは反対側の西口です[⑭]。東口の駅舎と比べると、普通の四角い駅ビルという印象で、実に平凡なものです。駅舎入り口の上には「金沢駅」の表記がありますが、今、その右側には、IRいしかわ鉄道のロゴがあります[⑮]。県庁所在地同士ですし、間に高岡もありますから、北陸本線も、金沢〜富山間くらいなら、経営分離しないでもなんとかなったのではないかと思うんですが、あっさりと経営分離され、特急も剥奪されました。

 東口よりも平凡な駅舎をしている西口ですが、駅前にいる人の数も、東口と比べると、幾分少ないです[⑯]。一応、ビルも立ち並んでいますし、ここは金沢駅の駅前であることは間違いありませんが、やはり表口である東口に対し、「裏口」であることは否定できないようです。駅舎出入り口の屋根を支える柱には、四角に切り抜かれた金箔(本物かどうかは不明)が何枚か貼り付けられており[⑰]、金沢駅の金箔へのこだわり(?)を感じます。

 北陸新幹線の金沢開業に合わせ、新幹線の改札口には、自動改札機が設置されました[⑱]。他の北陸新幹線の駅と並び、北陸地方初の自動改札機がやってきた!というところでしたが、一方で、在来線の改札口は、相も変わらず有人改札です[⑲]。ああ、こればかりは、能登号でやってきた5年半前と変わっていません。同じです。ただ、決して「良いこと」ではないと思いますが・・・。

 次なる列車に乗るため、2番線ホームに向かうと、隣の1番線に、681系が停車していました[⑳]。しかし、これはサンダーバード号ではありません。なんとしらさぎ号です。サンダーバード号が富山・魚津に行かなくなり、はくたか号・北越号が廃止されるなど、新幹線の開業に絡んで、北陸地方の特急事情が大きく変わりましたが、681系がしらさぎ号でも運用されるようになったことは、それに伴う動きのひとつです。




























 私が乗るのは1番線のしらさぎ号ではなく、隣の2番線から出るサンダーバード26号です[①]。列車が入線し、乗降扉が開くと、指定席車両も含め、多くの人たちが乗り込んでいきました。車両は683系4000番代で、機動的な増結運用に対応するべく、両端の先頭車が貫通型となっています[②]

 北陸新幹線の金沢開業により、金沢以東の特急列車は激減(かろうじて金沢〜津幡間に七尾線直通の特急が走る)しましたが、金沢以西は、引き続き多くの特急列車が運転されています[③]。金沢発19・22・23時台を除き(平日)、特急列車は毎時2〜4本が運転され、しらさぎ10号とサンダーバード26号のように、10分以内の間隔で2本の特急列車が発車していくこともあります。

 列車は13:56の定刻に金沢を発車しました。これで敦賀まで行きます。金沢は高架駅となっていますが、次の西金沢からは地上駅となっているので、すぐに高架を駆け下りていきます[⑤]。ちょっと写真はありませんが、進行方向左手を通る北陸新幹線の線路は、高架を維持したまま北陸本線と並行し、福井方面へと延びていきます。

 サンダーバード26号は金沢13:56発です。その8分前の13:48には、名古屋行きの特急しらさぎ10号が出ており、このサンダーバード26号とどちらを選択するかを考えさせられましたが(敦賀はどちらも停車)、結局、サンダーバード26号を選びました。その理由は「停車駅がしらさぎ10号より少ないから」。同じ特急料金なら、停車駅が少ない方が、なんとなくお得感があるというものです。

 しらさぎ10号が停車し、石川県内においても主要な駅に位置づけられる小松を、サンダーバード26号は高速で通過してしまいます[⑦]。ここで金沢13:30発の福井行きの521系の普通列車を追い抜きます。

 加賀温泉付近で、進行方向右手に、大きな観音像が見えてきます[⑧]。これはバブル期のテーマパーク建設に合わせて建造されたものでしたが、バブル期の流れに乗って造られたテーマパークなど、当然長続きするはずもなく、そのテーマパークは、既に閉鎖されています。この観音像は取り壊されることはなく、新たな管理者を得て、現在も加賀温泉駅の北側にその姿を聳えています。

 このあたりで窓が濡れてきました[⑨]。これは雨に降られてきてしまったかな、と思いましたが、次の芦原温泉に到着するころには、雨は上がり、窓に付着した水滴もすっかりなくなっていました[⑩]。加賀温泉も芦原温泉も、名前の通り、温泉地帯への玄関口の駅であるため、乗り降りする人は旅行客ばかりなのだろうと思っていましたが、案外、スーツ姿のビジネスマンも乗ってくるようです。意外でした。

 福井駅の手前で、臨時の特急サンダーバード87号とすれ違いました[⑪]。もとより特急列車の本数が多い北陸本線ですが、繁忙期には臨時のサンダーバード号やしらさぎ号が運転され、その本数は更に増加します。そして列車は14:42に高架駅となっている福井に到着[⑫]。福井〜越前花堂間にある南福井駅(貨物)を右手に見ながら[⑬]、列車は南へ進んでいきます。

 14:54に到着するのは武生です[⑭]。ここでは福井より多いのではないかというほどの人が乗り込んできて、列車はほぼ満席になりました。金沢を発車した時点で、「今日はこの列車は満席」と言われていましたが、福井でならともかく、武生で満席になるとは意外なことでした。武生停車中に、反対側のホームにサンダーバード23号が到着し、特急列車の本数の多さをまた感じることとなりました[⑮]

 南今庄〜敦賀間にある北陸トンネルは、全長13870mを誇る長大トンネルです。南今庄を通過すると、列車はほどなくして北陸トンネルに突入し、暗闇の世界に入ります[⑯]。トンネル突入前からの高速走行を維持し続けた683系は、約402秒で北陸トンネルを駆け抜け、脱出[⑰]。計算上、トンネル内の平均速度は約124km/hとなり、ほぼトップスピードで走り続けていたことが分かります。

 列車は15:14に敦賀に到着[⑱]。サンダーバード26号の終着駅は大阪です。



















 敦賀にやってきました。10:32にかがやき509号で東京を発ってからまだ4時間40分ちょっとしか経過していませんが、旅程の都合上、今日の移動はここで終了。明日はまず、小浜線に乗ることとしていますが、その初発列車に乗ることが求められたため、今日の宿は敦賀にあるというわけです。

 5番線に新快速の223系が停車していました[②]。4両編成といえども、新快速によって京都・大阪・神戸・姫路などへ直通で行き来できるようになったことの意義は、きっと大きなものなのでしょう。それと同時に、交流と直流という2つの電化方式は、それぞれに明確な利点があるものの、両者の間を跨いで運転しようとなると、甚だ面倒なものでしかなく、直通運転の可能性を狭めるものであるという事実を再確認できます。

 敦賀駅に来るのは約5年半ぶりですが、各ホームを結ぶ通路がきれいになっていたなど、駅はだいぶ変わっていました[④]。その通路には列車の発車案内を行うモニターが吊り下げられていますが、何か違和感を覚えます[⑤]。それもそのはず。この液晶画面、発車標のデータを直接表示しているのではなく、「改札口にある発車標をカメラで写し、それを表示」しています。まあ、本物の発車標を設けるより安価なのでしょうが・・・。

 敦賀駅は現在工事が行われています。特に駅前広場の工事がたけなわで、重機が鎮座し、カラーコーンが置かれ、柵で工事現場への立ち入りを制限しているような状態でした[⑧]。もっとも、工事はきちんと進んでいるようで、完成までそれほど時間がかかるようには見えませんでした。

 今日の宿である敦賀マンテンホテル駅前は、駅を出て右手にあり、徒歩1分程度で辿り着けるという立地の良さを誇ります[⑨]。建物がきれいなだけでなく、部屋の中もきれいでしたが[⑩]、どうもこのホテルは2011年3月に開業したばかりの新しいホテルのようです。ビジネスホテルは、設備や部屋の様式は、どのホテルでも大きな差はありませんが、全体的なきれいさは、その新旧が大きく影響します。


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