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 九州一の拠点駅、博多にやってきました。そこにいる人の数[②]、駅舎の大きさ[③]、街並み[⑤]など、どれをとってみても、九州島内の他の県庁所在地の駅とは一線を画しています。博多駅だけは、まさに別格の存在であると言うことができます。

 博多口(表口)の駅舎は、2011年3月に開業した新駅ビル・JR博多シティとなっていますが、反対側の筑紫口の駅舎は、1975年の山陽新幹線博多開業に合わせて建築された駅ビル・博多デイトスが今でも残存しています[⑥]。もう40年も前の、今よりも街並みが小ぢんまりとしていたころに完成した建築物ですが、2015年の現代に見てみても、周りにある後年の建築物に引けを取らないだけの存在感を放っています。

 この後、当分の間特急列車には乗らず、また、ゆっくりと昼食をとるだけの時間も設けていないので、博多駅近くのコンビニで適当に食べ物を購入して、次の列車に乗車する前に食べておきました。立派な昼食はとらないまでも、せっかく遥々と福岡まで来ているわけですから、ラーメン屋でも探して博多ラーメンくらい食べておけば、より良かったんでしょうけどね。

 今年は山陽新幹線博多開業40周年ということで、駅構内には、それを記念した掲示がありました[⑨]。写真には試運転中の0系が写っていますが、30周年のときには、記念列車として臨時の0系ひかり号が運転されました。今や0系はもちろん、100系、さらには300系すらも全車両が退役してしまっています。500系以降の車両で40周年を祝えるような臨時列車など走らせられるはずもなく、今回は、特別な臨時列車はありません。

 次に乗る列車は、篠栗線直通の直方行きの快速列車です[⑩]。 ここからは福岡近郊の路線を続々と攻略していきます。















 黒い813系で運転される快速列車に乗車し、長者原を目指します[①]。福岡という大都市で運転される列車でありながら、編成は3両という短いもの。快速列車の6分後に出る普通列車に至っては、なんと2両編成です。もちろん、2両や3両で鹿児島本線をずっと走っていこうというわけではありませんが、こちら(関東)の場合、「短い10(11)両編成」なので、それを基準にしてしまうと、「都市部に超短編成」という光景には驚いてしまいます。

 引き上げ線に留置される883系を見つつ、列車はまず吉塚を目指します[②]。博多〜吉塚間は鹿児島本線ですが、篠栗線直通の列車専用の線路(単線)が敷設されており、列車はそこを通って吉塚へ向かいます。窓越しには福岡市の街並みが広がります[③]

 博多から3分で吉塚に到着しました[④]。篠栗線の正式な終点(起点)はこの駅です。そのため、博多駅は、政令指定都市・福岡市の玄関口として君臨するあれほどの大きな駅でありながら、在来線の路線だけを見てみれば、実は鹿児島本線しか通っていません。

 共に引き上げ線にいる787系と415系を横目に、篠栗線の線路は、鹿児島本線と分かれ、更に地上へと向けて高度を下げていきます[⑤]。2015年3月のダイヤ改正で快速停車駅となった柚須に停車した後、原町を通過して[⑥]、列車は下車駅の長者原に到着します。
















 場所は変わって、ここは長者原駅の香椎線ホームです[①]。香椎線と篠栗線、都合2つの路線が接続する駅となっていますが、前者は高架線、後者は地上に位置しており、それぞれのホームと線路は立体的に交差しています[②]

 宇美行きの普通列車がやってきました[③]。車両はキハ40系ですが、JR九州標準の白地に青帯という塗装ではなく、前面を青一色で塗りたくった、香椎線専用の塗装を纏っています。香椎線には「海の中道線」という愛称がつけられていますが、この青色は、まさに海を思わせます。

 私は既に福岡市外へと来ており、現在、粕屋町というところにいます。「町」と言っても、福岡市に隣接した同市のベッドタウンであり、人口増加が続くと共に、1平方キロ当たり3000人を超える人口密度となっていますが、それでも、郊外らしい長閑な風景も残されています[④]。そんなところを通る単線・非電化の路線を気動車で乗っていると、あたかも福岡市から離れた地域にいるかのような感覚に陥ります。

 終点・宇美のひとつ前の駅、新原[⑤]。新原と書いて「しんばる」と読みます。原という漢字を「はる」「ばる」と読む傾向にあるのは、九州独特の現象です。先ほど乗車した快速列車で通過した「原町(はるまち)」、筑肥線の「筑前前原(ちくぜんまえばる)」、鹿児島本線の「原田(はるだ)」、「田原坂(たばるざか・熊本)」など、その独特の現象は、駅名の読みにも見ることができます。

 12:31、列車は終点の宇美に到着しました[⑥]。これで香椎線の攻略に成功した・・・と言いたいところですが、同線は、西戸崎〜長者原〜宇美間を結ぶ路線であるため、もう一方の終着駅である西戸崎駅へ向かわないことには、香椎線の全線乗車は果たせません。前面を青一色で塗った香椎線塗装の車両は、車体側面に、「AQUA LINER」と書かれたロゴも描かれています[⑦]


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