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 筑豊本線とは、若松〜原田間を結ぶ路線のことですが、現在の筑豊本線は、非電化の若松〜折尾、電化の折尾〜桂川、非電化の桂川〜原田の3つの系統があると言える状態です。全区間を通して運転する列車は設定されておらず、桂川〜原田は、1日に8往復(土休日9往復)しか運転されない上に、電化区間や鹿児島本線への直通運転は一切行われていないという、筑豊本線の中で最も閑散としている区間です

 16:44発の原田行きは、キハ31形の1両編成でした[①]。駅のホームは、気動車や電車の導入に合わせて嵩上げした形跡が見られ[③]、電車列車の発着が中心となった今、ホームは全面的に電車に合わせた高さとされたようで、キハ31形では、逆ステップが発生していました[④]。キハ31形への乗り降りの際には、足を踏み外さないように注意が必要です。

 桂川を発車して、筑豊本線の線路と分かれます[⑤]。一ローカル線としか思えない単線・非電化の線路(本数もかなり少ない)を進んでいきますが、国鉄時代は、ここを優等列車が通っており、寝台特急までもが通っていました。しかし、原田線が華やかなりしころはとうに昔の話で、筑前内野駅が1面2線から1面1線(片方の線路を剥がす)になるなど[⑥]、今ではすっかり閑散とした区間に。

 筑前内野〜筑前山家には、全長3286mの冷水トンネルがあります。この長さゆえ、トンネル内には、蛍光灯が整備されています[⑦]。このトンネルによって冷水峠を越え、飯塚市から筑紫野市へと移ります。冷水峠を越えていく区間の険しさはたしかなものであり、蒸気機関車が運用されていた時代には、補機の連結を必要としていました。

 1日に8往復(今日は土曜日なので9往復)しか設定されていないということで、原田線の需要は、たしかに少ないようです。夕方になる前の微妙な時間帯ということのせいもあるかもしれませんが、車内はガラガラ[⑧]。鉄道が好きそうな人もあまり見られませんでした。

 眼下に見える複線電化の路線は鹿児島本線・・・、と言いたいところですが、その正体は、西鉄天神大牟田線です[⑨]。たしかに原田が近いですが、筑豊本線と鹿児島本線の交差は起こりません。両線は原田駅の手前で合流を果たし[⑩]、列車は終点の原田に到着します[⑪]















 原田は、鹿児島本線と筑豊本線が接続する駅です。読みは「はらだ」ではなく、九州らしく「はるだ」となっています[①]。駅構内の配線は、両線の相互直通が可能なものとなっており、過去には様々な優等列車が原田線を介した相互直通を行っていましたが、後者専用とされている0番線は、車止めによって線路が断たれています[②]

 すっかりローカル線と化してしまった原田線ですが、鹿児島本線は、今も昔も大幹線です。PC枕木つきの複線電化の線路が用意された鹿児島本線ホームは、有効長も長めにとられています[④]。毎時6本程度の列車が設定されており、利便性は十分水準に達しています。

 鹿児島本線の電車列車への乗降に配慮して、ホームは嵩上げがなされましたが、原田線の気動車列車のみが発着する0番線は、嵩上げを行っていないようです[⑤]。この写真を見てみると、嵩上げ施工と未施工の違いがよく分かることかと思います。0番線のホームの高さは、ステップが付いている気動車に最もよく合うものになっており、キハ31形のステップと原田駅0番線のホームの高さは、まさに一致していました[⑥]






















 旅程の都合上、残念ながら、17:18発の桂川行きで折り返していかねばなりません。原田駅にいられた時間は僅かに6分です。20分〜30分程度の時間をもって折り返し便を走らせてくれたら嬉しいものですが、それは鉄道ファンとしての身勝手な要望にすぎません。

 原田を発車すると、博多行きの783系の特急列車が脇を通り抜けていきました[①]。原田には特急列車は停まりませんが、通過していく列車も含めれば、原田駅を行き来している列車の数は相当なものになります。鹿児島本線と分かれて筑豊本線の線路を進む中、原田駅からやや離れたところにもマンションが立ち並ぶ場所がありますが、これは、西鉄線の筑紫駅周辺の街並みです[②]

 筑前山家に到着しました[③]。筑前内野と同様に、ここも線路が1線剥がされてしまいました。現在、原田線の途中駅は全て棒線駅となっており、列車交換は不可能になっています。使われなくなったホームに「駅中心 61km570」とありましたが[④]、筑豊本線の全長は66.1kmであり、これはJRで本線を名乗る路線としては、最も短いものです。次位は留萌本線の66.8kmですが、留萌〜増毛間の廃線により、これが最短となります。

 冷水トンネルを走り、再び飯塚市へと戻ります[⑤]。峠越えの区間を挟む筑前山家〜筑前内野間は、10.2kmの駅間距離があります。列車は17:37に筑前内野に到着しますが[⑥]、ここの駅名標のローマ字は、「ち」の表記に「CHI」ではなく「TI」を使用していました[⑦]。JR九州が公式に設置した駅名標ではなさそうですが、隣の上穂波駅にあるJR公式の駅名標では「CHIKUZEN-UCHINO」となっていましたから、やはり例外的な存在です[⑧]

 17:46、終点の桂川に到着[⑨]。桂川を16:44に出る列車で原田へ向かい、17:46に戻ってきたので、およそ1時間で原田線の攻略を完了したことになります。盲腸線ではなく、列車本数も異常なまでに少ないというわけではないので、攻略の難易度はさほど高くはないと見ます。

 駅前に、地元の方々が手入れをしていると思われるひまわりの花壇がありました[⑫]。しかし、華麗な大輪を咲かせてはおらず、植えられているものは、全て枯れて下を向いていました[⑬]。まあ、花の手入れって大変ですからね(自宅ならまだしも、駅にある花では・・・)。


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