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 津山駅です[①]。かつては多くの急行列車が発着していましたが、2009年3月のダイヤ改正で急行つやま号が廃止されたのを最後に、優等列車は全滅してしまいました。なお、非電化のローカル線(一応、昔は陰陽連絡線として機能するところもあったとはいえ)しか集わない駅ということもあってか、特急列車がやってきたことはありません。

 「美作江見」の表示を出したキハ120形が停車していました[②]。津山から上月・佐用方面は、1日に2往復のみ、津山〜美作江見間の区間運転列車が設定されています。このほか、美作加茂行き、中国勝山行きといった列車もありますが、津山線(岡山方面)は、津山側に区間運転の列車はなく、全列車が岡山行きとなっています。

 乗り換え先の案内に「中国ハイウェイ-バス」[③]。なぜバスが乗り換え先として表示されるのか、という疑問が出てきますが、これは、この路線が元々国鉄バス中国高速線として開業したという経緯があるためでしょう。国鉄バスは国鉄鉄道線と同等の扱いだったので、国鉄線の乗車券に組み込むことも可能でした。つまり、実質的には鉄道路線として扱われていたようなものでした。

 津山線・姫新線・因美線の3路線が集う津山駅ですが、電化路線はありません。そのため、今となっては貴重な「気動車大国」でもあります。駅構内には多くの留置線があり、そこには、「みまさかスローライフ列車」では専属で充てられる、キハ20形・52形風のノスタルジー塗装車もありました[④]。その向こうには扇形車庫があり、僅か2両しか存在しなかった希少形式・キハ33形の姿も。

 前回(2015年8月)の時点ではまだ工事中だった駅前も、駅前再整備が完工したことにより、すっかり小奇麗になっていました[⑥]。それに合わせて塗装した・・・のかは定かではありませんが、駅前で保存されているC11-80も、屋根等がなく雨曝しになってしまっている割には、艶々しい黒色を湛えていました[⑦]。屋外で屋根なしだと、往々にしてボロボロになるものですから・・・。

 ロータリーが綺麗に整備された駅前[⑧] [⑨]整備前の様子と比べると、その差は一目瞭然です。「2年半来ない間に、すっかり様子が変わってしまったなあ・・・」と思わずにはいられません。その変化は大きなものでした。

 2015年8月に津山を訪れたときは、駅のすぐ近くにあるホテルアルファーワン津山に宿泊しました[⑩]。もう18時前なので、今回も津山で泊まろうかなとも思ったのですが、そうすると翌朝がキツい(旅程の都合上、津山4:29発の列車に乗る羽目になる)ので、今日中に岡山まで移動します。なお、このホテルの外観も、前回訪問時とは少し異なります。違いはどこでしょうか?

 大阪方面行きの高速バス[⑪]。いま、津山から大阪へ行くならば、第一の選択肢に挙がるのは高速バスであり、わざわざ鉄道で行くのは物好きです。それこそ、以前は、津山と大阪を姫新線経由で結ぶ急行列車というものもありましたが、1989年には廃止されています。

 綺麗に整備されて生まれ変わった津山駅前ですが、ひとつ困ったことが。それは、ロータリーのバス乗り場・タクシー乗り場に全面的に屋根を設けた結果、遠くからでは、駅舎にある「津山駅」という文字が見えなくなってしまった、ということです。さすがにそれでは問題がある、ということなのか、「津山駅」と大きく書いた看板を立てることになりました[⑫]












 だんだんと辺りが暗くなってきました[①]。西日本とはいっても、所詮はまだ2月ですから、陽が落ちるのは早いです。個人的には、夜になってしまうと、車窓がろくすっぽ楽しめなくなる(特に街灯りがないローカル線では)ため、殊に「車窓を眺める」という点においては、夏の方が好みです。

 津山〜岡山間は営業キロにして58.7kmで、所要時間は約1時間5分〜1時間40分。中堅都市〜県庁所在地という区間であることと、津山線が優等列車がないローカル線という点より、なんとなく、「津山〜岡山は高速バス(実際には高速道路はないのですが)が強いのでは」と思っていました。ところが、実際には、津山〜岡山間のバスは1日に4往復しかありません[②]。津山線の方が強いのですね。

 駅舎[③]。正面からでは「津山駅」を入れて撮ることができないので、このような苦しい姿勢で撮らざるをえません。写真の左側に写っているのが、ロータリーのバス・タクシー乗り場の屋根で、これが目の前にドカンを置かれたせいで、津山駅の駅舎の撮影には苦労します。

 ホームからも見える扇形車庫は、「津山まなびの鉄道館」として、実物の車両を数多く揃える博物館になっています[④]。キハ181系、キハ58系、D51形、DF50形など、知名度と人気が高い車両が収容されていますが、キハ33形(50系客車の改造で生まれた、僅か2両しかいなかった車両)、DE50形(試作車1両のみ)などの「地味ながらも価値ある車両」が保存されていることは、特筆すべきことと言えるでしょう。

 運賃表[⑥]。ラインカラーと路線記号が導入されたことで、随分とカラフルな運賃表になりました。なお、四国方面は児島までの掲載となっていますが、これは「その先はJR四国になり、会社が変わってしまうから」というわけではなく、本当に児島〜坂出・宇多津間で100kmを超えてしまうから。偶然といえば偶然なのですが、ちょうどキリの良いところで切れています。

 地下通路で津山線のホームへ向かいます[⑦]。現在、津山駅は片側(北側)にしか駅舎(出入り口)がなく、南北の行き来がかなり不便なのですが、当然この状況が放置されているはずはなく、南北自由通路を造ろうとか、橋上駅舎に建て替えようといった話は、既に上がっています。もし橋上駅舎になれば、地下通路はさすがにお役御免です。










 18:23発の快速ことぶき号で岡山を目指します[①]。キハ47形2両編成による運転です。この列車は全便が津山〜岡山間で運転され、その本数も1日7.5往復と、まずまずの数があります。ある種の「地元の見栄」のために、急行砂丘号の廃止後も、たった1往復の急行つやま号が残り続けたわけですが、そんなものよりも「乗車券だけで乗れる快速列車が多い方が良い」ことに皆が気が付きました。

 津山線のラインカラーである山吹色を反映した駅名標[②]。姫新線(橙色)と因美線(黄土色)のラインカラーは、先ほどのように、運賃表などにこそ登場はしますが、駅名標にはまだ使われていません。そのため、4番線側(津山線)に向いている面は山吹色になっていますが、3番線側(姫新線)の面は、普通のJR西日本の青色となっています[③]。1・2番線の駅名標は両面とも青色です。

 2番線に先ほど見かけた美作江見行きが停車していました[④]。当たり前といえば当たり前ですが、姫新線と因美線には、「美作」を冠する駅が数多くあります(津山線はなし)。いちいち美作をつけて読んでいたらまどろっこしいので、地元の人などは、美作を省いた下の名称だけで呼ぶことも多いのでしょうか(四国で、伊予吉田を「吉田」を言っているのを聞いたことはあります)。

 車内はそこそこに混んでいて、かつ、ほぼ全員が岡山志向(まあ、岡山行きの快速列車となれば、途中駅で降りる人はあまりいませんよね)だったので、結局最後まで立ちっぱなしでした。乗車中の写真もゼロのまま、19:30に岡山に到着しました[⑤]


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