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 徳島にやってきました[①]。この先の阿波富田方面(牟岐線)は盲腸線で、高徳線と徳島線が接続するのは、ひとつ隣の佐古駅です。これが何を意味するか、というと、四国では、どうあがいても、4つの代表駅を、経路重複をなしに乗ることはできないということです。分岐駅通過の特例があるので、一筆書きの乗車券で4駅を訪れることはできても、佐古〜徳島間は必ず2度乗ることになります。

 切り欠きの1番線から、阿波池田行きの嗣人三号が発車しようとしています[②]。一般的に、切り欠き式のホームを使用するのは、ローカル線の普通列車が多いと思いますが、そこに特急列車が停車しています。私としては、このような光景は初めて見ました。

 徳島駅は、ホテルクレメント徳島と一体になった駅舎を有しているため、駅舎は非常に立派です。それは、ホームにいてもよく分かります[③]。では、肝心のホームはという、これです[④]。切り欠き部分を除けば2面3線で、非電化。古ぼけた跨線橋が現役で、ホームの裏には徳島運転所。更にその向こうには、早くも林が控えています。誰が言ったか、ここの駅舎は「ハリボテ」。

 18:01発、牟岐線阿南行きの特急ホームエクスプレス阿南1号[⑤]。徳島〜阿南間24.5kmのみを結んでいて、JRとしては最も運行区間が短い定期特急列車でした。このような列車があるくらいなので、牟岐線における特急需要はさぞかし大きいのだろうと思っていましたが、2019年3月のダイヤ改正で、パターンダイヤの導入に伴う普通列車の増発が実施された裏で、ひっそりと廃止されました。

 夕刻の徳島駅前[⑥] [⑦]。煌びやか・・・とまでは言いませんが、都市の雰囲気があります。駅前には百貨店のそごうがありますが、2017年4月に開店したイオンモール徳島の影響はあまりないらしく、今後も運営を続けていくとのこと。全国的に不振が目立つ百貨店の中で、大都市にある店舗ではないにも関わらず、そこそこの業績を上げることができている、珍しい例と言えます。

 噂の徳島駅舎[⑧]。まあ、でかい。とにもかくにも、でかいです。その駅舎の図体は、松山・高知はもちろんのこと、高松をも軽く凌駕しています。これほどの駅舎でありながら、その裏にあるホームや土地があのような具合では、まあ、たしかにハリボテと言われるのも仕方がないかも・・・。ひっきりなしに発着するバス、何台も待機するタクシーなど、駅前は”本物”なのですがね[⑨]

 徳島駅がこのような駅舎を持つに至ったのには、もちろん理由があります[⑪] [⑫]。現在の駅ビルが全面開業したのは1993年。ということは、これを設計・計画していたのは、バブルの時代だったというわけです。バブルが崩壊した後のものであれば、もっと適切な規模になっていたのかもしれません(逆に、2001年竣工の高松駅舎がさほど大きくないのは、「そういう時代」だったからと言えます)。

 キリが良い駅まで来たので、このまま徳島で宿泊することも考えましたが、今日は高松に宿をとってあります。ということで、18:30発の特急うずしお26号で高松まで移動します[⑭]。讃岐津田やオレンジタウンにも停車する、ちょっと停車駅が多めの便です。


















 フルカラーLEDによって鮮やかに表示される、特急うずしお26号の情報[①]。ここから、この列車に充当されている車両を知ることができます。そうですね、うずしお26号は、新型の車両の2600系による運転でした[②]。2600系を狙っていたわけではありませんが、まだ乗っていない車両ですから、これに当たったのは嬉しいことでした。

 牟岐線の普通列車と並ぶ2600系[③]。横で並ぶと、その車体の高さの違いがよく分かります。2019年3月のダイヤ改正によって、牟岐線を走る特急列車は、1日に4往復(徳島〜牟岐:3往復、徳島〜阿南:1往復)から1往復にまで減ってしまうので、これから先は、牟岐線の攻略は普通列車で行っていかざるを得なくなると言えるでしょう[④]

 元常磐線利用者としては、「E657系で見慣れているような気がする」と思うこの座席[⑤]。座席肩部にある取っ手が異なるため、その周辺の処理には違いがありますが、それ以外の全体的な造りや肘掛けの形状、枕の存在、肘掛け先端への電源の設置等に、E657系の普通車の座席を基本としていることが読み取れます。

 最初の停車駅は池谷です[⑥]。うずしお号では、池谷と勝瑞は、基本的に選択停車としていますが、26号は池谷に停まります。ここで鳴門線が接続していますが、両線のホームは、いわばV字型に配置されていて、お互いに離れた位置に存在しています。

 続いて停車するのは板野[⑦]。2012年3月のダイヤ改正によって、全ての特急列車が停車するようになりました。高松からの下り列車は、この先の引田を終着とする列車が多く、逆に徳島方面からの上り列車は、板野行きとなっている列車が少なくありません。そのため、板野〜引田間は列車本数がかなり少なく(とりわけ普通列車)なっていますが、そこには、同区間で県境を越えるという事情もあります。

 明るく清潔な印象を受ける車内[⑧]。今日は1号車の指定席を利用していますが、天井から下げられている案内にあるように、指定席は、1番〜4番×1列4席の、合計16席しかありません。金曜日の夜に高松方面に行く人が多いということなのか、今日のうずしお26号は、指定席は満席でした[⑨]。まあ、たったの16席しかなければ、そりゃそういうこともあるでしょうね。

 高松市内に入り、街灯りが増えてきました[⑪]。”昨日ぶり”の栗林駅では、下りの徳島行きの普通列車と行き違いを行いました[⑫]。高松〜徳島間を通しで走る普通列車で、その所要時間は約2時間30分です。

 徳島から1時間7分で終点の高松に到着しました[⑬]。徳島〜高松間は、営業キロにして74.5kmと、それほど離れてはいません。この列車は1時間7分で走破しましたが、1日に1往復ある最速達便は、1時間未満で両駅を結んでいます。
















 今日の下りうずしお号は、あと2本(31号・33号)ありますが、この2600系はここでお役御免。回送列車となります[①]

 高松駅は櫛形の頭端式ホームとなっていて、他の列車に乗り換えようと、ここで移動を終了して改札を出ようと、必ずその”頭”を経由することになります。高徳線の列車から降りてきた乗客が歩く方向はただひとつなので、その全員の目に見えるような形で、各方面への乗り換え列車の案内が行われています[③]。本州方面・予讃線方面・土讃線方面の3つです。

 駅舎内の様子[④]。その高さとガラス張り構造が相まって、非常に開放感のある造りとなっています。「さぬきうどん駅」とも名乗る高松駅は、それを前面に打ち出していて、駅名標にも「さぬきうどん駅」との記述をしているくらいですが、さすがに車内放送では用いられません[⑤]。うずしお26号でも、「次は終点の、さぬきうどん駅高松・・・」などとは言いませんでした。

 2017年3月のダイヤ改正まで、下りうずしお号の1番列車は、高松7:05発でした。その後、18年3月のダイヤ改正によって、それよりも53分早く高松を発車する便が新設されました[⑥]。上り列車については、それ以前から、徳島5:41発が1番列車ですが、さすがに高松を5時台に出るものは、設定されそうにありませんね(まあ、需要もないでしょう)。

 駅前に出ると否が応でも目につくこの建物は、香川県内で最も高い建築物であり、高松シンボルタワーです[⑦]。地上30階建てで、高さは151.3mを誇ります。一見すると、いかにも「高松の夜景と瀬戸内海を一望できる高層ホテル・・・」といった佇まいですが、ホテルは入居していません。”高いホテル”をご所望の方は、駅を出て正面にあるホテルクレメント高松へどうぞ。

 高松駅前[⑧]。高松そのものは、もう何度も訪れているので、取り立てて物珍しいことはありません。駅舎はこれくらいの大きさであり、先ほどご紹介した徳島駅のそれと比べると、たしかに「無駄に大きい」ことがない、比較的コンパクトな造りになっていると言えます[⑨]。現在の徳島駅舎が高松駅舎、高松駅舎が徳島駅舎であれば、それなりにしっくりくることでしょう。


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