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岐阜までの長時間乗車になるということで、当然のように指定席をとっていたのですが、どうも自由席の方が乗客が少なくて落ち着けそうだ、ということで、9号車の自由席に移動しました[①]。いずれここも混み合うことはたしかでしょうが、とりあえず席を確保できれば勝ちですし、”混雑するときまでは空いている”ことが重要です。 ちょうど昼食の時間帯に乗車する列車になるということで、富山駅で駅弁を購入しておきました[③]。列車での移動を続けていると、つい食事をとりにくい状況(お昼時に普通列車に当たりそうになる、など)にぶつかりそうになることもありますが、今回の旅では、なるべく、昼ご飯をきちんと駅にある喫茶店で食べたり、特急列車で食べられるようにしたりするための調整をしています。 富山市の平野部を離れ、山あいの地帯に進んできました[④]。こうなると、その雪景色は、俄然美しさを増してきます。雪にまみれた木々は真っ白に染め上がり、ところどころに枝や葉の茶色や緑が覗くことで、その眺めに”凹凸”ができ、見ごたえはより一層高まります[⑤]。高山本線に沿って流れる神通川は穏やかで、深緑ともいうべき色合いが、雪景色の明るさの中で映えます[⑥]。 沿線は段々と山深くなっていきます[⑦]。しかし、それでも「鬱蒼と・・・」とか、「寂寥とした・・・」といった言葉があまり似合わないような気がするのは、天気が良く、陽射しが雪の白さを際立てているからでもあるのかもしれません[⑧]。飯山線や只見線が有名すぎて、それらと比べると、若干知名度は低いかもしれませんが、高山本線も、日本屈指の豪雪路線です[⑨]。 いま目に見えているこの風景のどこまでに人の手が入っていて、どこからが完全に自然のものなのか、私には分かりません[⑩] [⑪]。しかし、たしかなことは、それが人から見て美しいものであれば、もうそれで十分だということです。人の手が入って整っているからこそ美しいものもあるでしょうし、自然のままに放置されているからこそ美しくないものもあるでしょう。 JR東海との境界駅にして富山県内最後の駅、猪谷に到着[⑫]。富山県と岐阜県の県境=会社の境界駅だから停車している、といった感じであり、決して大きな街ではありません。JR西日本のキハ120形とJR東海のキハ25形が縦列停車をしていますが、異なる会社の列車が縦列停車をすることは、珍しいものと思います。 |
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富山県を脱出し、岐阜県内に入りました。もはや右も左も山というような地帯に入り、雪深さも更に激しくなりました。木々に降り積もった雪は多く、枝はその雪で白色に包まれ、葉は大量の雪を伴った重量物と化して、その下にある枝を大きく撓ませています[①]。川面に見える岩場にも、雪は隙間なく積もっていて、それは新たな陸地を生み出しているかのようでもあります[②]。 列車交換のため、通過駅の打保に運転停車します[③]。ホーム屋根の上に積もった雪の厚さが、その豪雪ぶりを物語ります[④]。打保〜角川間は、高山本線の中でも屈指の豪雪地帯であり、冬季には、今日ここまでに見てきたような美しい雪景色が展開され、高山本線に乗るときの大きな楽しみとなります[⑤] [⑥]。もちろん、これほどの豊かな自然があれば、夏でも、そこには名車窓が広がります。 「自然豊かな雪景色」にも、2つの種類があると私は思います。ひとつは、どこまでも真っ平らな風景が広がる、まさに”雪原”とも言うべき眺め。そしてもうひとつが、山間部において展開される、川や木々に恵まれた眺め[⑦] [⑧]。前者については、雄大な北海道にお任せしましょう。本州で雪景色を堪能できる路線は、往々にして険しい地帯を走っているものです。 あれほど良かった天気はどこへやら、空はすっかり雪雲に覆われてしまい、列車は横殴りの雪の中を走っています[⑨]。一面に白、白、白が広がる車窓にあっては、空の青色は、良いアクセントだったのですが、空も白色となると、本当に白黒写真のような眺めになってしまいます。それは水墨画のようであり、色合い豊かな車窓とはまた違った美しさをもたらしてくれます。 角川を通過します[⑩]。駅ホームに立てられている駅名標が埋もれかかっている、と言えば、その雪深さがどれほどのものであるのか、写真からでもよくお分かりになることと思います。どんどん降り積もった雪は、やがて重量を増して下にある雪を押し潰し、側面から見たときの「層」を作り出します(雪が複数の層に分かれていますね)。 驚異の積雪を誇った高山本線の豪雪地帯にも、そろそろ終わりが訪れます。本当に山深い地帯にある駅は、先ほどの角川までで、次の飛騨細江からは、開けた地帯に入っていきます。それに伴って、雪の量も少しずつ減少し始め、まず雪がやみました[⑫]。そして、先ほどまでならば、間違いなく雪に覆われてしまっていたであろう川面の石も、雪を頂くことなくその姿を見せています[⑬]。 そして飛騨古川に停車[⑭]。たしかに雪は積もっていますが、写真下部で線路のバラストが見えているように、そこまで深刻な積雪ではありません。残念ながら、ひだ14号における最大の”お楽しみ”が終わってしまいました。 |
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久しぶりに街らしい街並みが見えてくると、列車は高山に到着します[①] [②]。列車はここで8分停車し、高山〜名古屋間のみを走る編成を増結します。なお、今日のひだ14号は、4両+4両の合計8両編成で、通常時よりも2両多くなっていました。 それにしても、ここ高山で、まあ自由席から人が降りること降りること[③]。繁忙期に終点の名古屋に着いても、ここまでぞろぞろとした降車の列ができることはないのでは・・・というくらいに、高山で降りる人が多いです。高山から乗る人が多いのは分かるのですが、北陸方面から飛騨方面に観光にやってくるルートも人気ということなのでしょうか。 で、9号車自由席は、すっかりガラガラになってしまいました[④]。ま、こんなことはもちろん冗談であり、先ほどの写真にも写っていたように、高山ではひだ14号に”乗る人の列”もまた形成されていて、降車が完了すると、今度は乗車が畳みかけ。結局、自由席は、高山でほぼ満席になりました。観光の時期にひだ号に乗るときは、やはり指定席を確保しておきましょう。 天候は回復し、またあの鮮やかな青空が戻ってきました[⑤]。4両編成から8両編成に成長したひだ14号は、エンジン音も高らかに、高山本線を上っていきます[⑥]。ここまでは85km/hに抑えられていたひだ号は、高山からは、最高速度が100km/hとなり、ちょっとは速くなります。下麻生〜岐阜間は110km/hとなり、また少しだけ速度が上がります。 久々野で運転停車[⑦]。下り列車の到着を待ちます。一部のひだ号は客扱いの停車を行いますが、ひだ14号として通過駅です。向こうからやってきたのは、キハ25形による高山行きの普通列車であり、遠目に見ると、やはり313系かと誤認してしまいます[⑧]。しかし、かつて高山本線には電化計画があり、それが実現していれば、高山本線に313系が走るということは、正夢になっていました。 飛騨川に沿って走ります[⑨] [⑩]。先ほどは神通川に沿っていましたし、高山本線は、その多くの区間で、川と旅路を共にします。しかし、見ての通り、先ほどとは異なって、木々の枝や葉には、雪はほとんど付着しておらず、あくまでも土のところにだけ雪が積もっています。これだけを見ても、雪がどれだけ減ったのかがお分かりいただけることかと思います。 東上田ダムの水門の脇を通過[⑫]。この水門は、人の通行が可能となっていて、対岸同士を結ぶ橋としても機能しています。そのため、取水する様子が間近に見られるということで、一部の人の間では有名とのこと。 もはやホーム上の雪もわずかな飛騨萩原を通過[⑬]。久々野と同じく、ここも一部の特急列車が停車します。高山〜下呂間には、久々野・飛騨小坂・飛騨萩原という特急停車駅がありますが、いずれも一部の列車が停車するのみであり、例えばひだ14号であれば、いずれも通過します。 15:23、下呂に到着[⑭]。富山から2時間20分ほどの所要時間での到着ですが、下車駅の岐阜までは、あと1時間15分くらいはあります。合計の所要時間は3時間37分であり、ひとつの列車に対する乗車時間としては、今回の旅の中でも上位に入ります。混雑している列車とあっては、用足しにもゴミ捨てにも行きづらく、段々と尻がやられてきます。 |
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