◆2月9日◆
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 1日目・2日目と、鉄道が全く出てきませんでしたが、今日3日目からは、鉄路が通じている長崎に来たということで、いよいよ鉄道での47都道府県(沖縄・長崎は訪問済みなので、正確には45ですが)巡りが始まります。

 いくら人口が漸減傾向にあるとはいえ、長崎市は、長崎県の県庁所在地でありますし、ひとつの立派な都市です。8:46発の列車に乗るということで、ちょうど通勤・通学ラッシュの時間帯にホテルを出てきましたが、長崎駅前は、自家用車・バス・路面電車が列を成し、もう大変[①]。バス停に停車するために7台のバスが順番待ちをしている光景などは、いかにも”都市”の風景です[②]

 そのラッシュアワーを横目に、私は、札幌を目指して、ここ長崎を起点として、実に長い鉄道の旅を始めます[③]。長崎は、過去には、2009年8月、2015年8月、2016年9月にそれぞれ訪れていて、今回が4度目となりますが、良くも悪くも、「駅舎を建て替えた」、「駅前を再開発した」といったことはないので、駅の雰囲気は、初来訪のときとほぼ変わりありません。

 2011年3月に九州新幹線・・・、より厳密に言うと、その鹿児島ルートが開業しましたが、現在、長崎ルートの開通に向けて、その建設工事が進んでいます[④]。新幹線で未来を創るなんていつの時代の幻想やら・・・というのはさておき、私は、どうせ新しく新幹線を造るのなら、「絶対にフル規格(ミニだのスーパー特急だのは論外)」、「せめて300km/h対応にすべき(整備新幹線は260km/hで設計)」という考えの持ち主です。

 今回の旅における、記念すべき”鉄道初列車”は、8:46発の特急かもめ10号です[⑥]。以前は、かもめ号は、885系(白いかもめ)ないしは783系によって運転されるのが基本でしたが、現在は、885系または787系で運転されるのが基本です(783系によるかもめ号は、博多〜佐賀間の0.5往復のみ)。よって、これから乗るかもめ10号は、787系での運転となります。

 2番線には、既に787系が入線していました[⑧]。見ての通りの色なので、885系による「白いかもめ」に対して、これを「黒いかもめ」と称しても良いと思うのですが・・・、発車標などでは、特に何もない「かもめ」で表示されます。

 今回の旅では、「その都道府県の県庁所在地の代表駅で降りること」をひとつの条件として課しているため、かもめ10号に乗る区間は、必然的に、長崎〜佐賀ということです。その営業キロは100.3kmで、本来ならば、グリーン車は200kmまでの料金区分が適用されますが、同区間については、例外的に、100kmまでの区分を充てます。「そんな”お膳立て”があるなら」ということで、今回はグリーン車を利用します[⑨]

 奥にDXグリーンが見えますが、今回私が使うのは、あくまでも「グリーン車」です[⑪]。JR九州では、2011年3月の九州新幹線全線開業を機に、グリーン車サービスを撤廃したため、普通のグリーン車よりも更に割高なDXグリーンを使うべき動機は、随分と薄くなりました(たしかに、座席”だけ”は普通のグリーン車よりも良いですが、それだけのために割高な料金を払うのも・・・)。

 普通車は2+2、グリーン車は2+1。もうそれで十分じゃないですが(付帯サービスは何もありませんが・・・)。とにもかくにも、このグリーン車によって、佐賀までの約1時間30分、少しでも快適な時間を過ごしましょう[⑫]


















 特急かもめ号は、浦上〜喜々津間において、なるべく距離を短縮できるように経路を選定した、1972年開業のいわゆる「新線」を経由します。同区間の距離は、新線が16.8km、旧線が23.5kmで、かつ前者の方が線形が良く、高速運転を求める特急列車にふさわしい環境が用意されていますが、その代償として、やたらとトンネルが多いようです[①]

 喜々津を通過して、新線区間は終了します[③]。ここから先は、いちど新線と旧線に分かれた2つの長崎本線が合流し、再びひとつの経路をとります。9:07に到着する諫早は、大村線と松浦鉄道に接続する駅で、大村線のキハ66・67形(快速シーサイドライナー号・しかも国鉄色)と松浦鉄道の車両に遭遇しました[④]

 諫早から先、肥前七浦までの区間は、長崎本線の中でもかなり線形の悪い区間であり、最後尾の1号車・グリーン車から、窓越しに編成の先端が見えることもあります[⑤]。博多〜長崎間を結ぶかもめ号は、787系または885系によって運転されますが、諫早〜肥前七浦間を含む諫早〜肥前鹿島間では、787系による列車と885系による列車では、所要時間に明確な違いが生じます(振り子の有無)。

 湯江に運転停車し、下りの特急かもめ号と列車交換[⑦]。肥前山口までの区間は、基本的に単線なので、このような列車交換はよく行われます。そのせいもあってか、振り子機構を持つ885系によるかもめ号であっても、列車によっては、博多〜長崎間で2時間を切れない場合があります。恐らく、列車交換の際に”待たされる”側になることが多いのでしょう。

 過去にかもめ号に乗車したときは、座席はいずれも山側で、長里〜肥前七浦間で展開される有明海の車窓を見ることができていませんでした。そのため、「今度こそは海側で」という強い思いを持っていて、えきねっとで特急券を購入したときは、「A席」を指名買いしました。そして、念願叶って有明海を見ることができましたが・・・、うーん、この曇天では・・・[⑧] [⑨]。「絶景」とは言い難く。

 9:52着の肥前鹿島で、また下りのかもめ号と行き違いをします[⑩]。以前は、「かもめ用」と「ソニック用」の2種類があった885系は、その帯の色(前者:黄色、後者:青色)で区別できましたが、帯色が青色に統一された今、それらを色で見分けることはできません。しかし、前照灯の形状と連結器カバーの上にあるマスコットのデザインを見れば、その区別ができます。この885系は旧かもめ号用です。

 今回、私は、「なんとしても787系のかもめ号に乗りたい」と思っていました。それは、「肥前山口駅の通過を体験したかったから」。以前は、全ての特急列車が停車していた肥前山口ですが、2011年3月のダイヤ改正以降、787系によるかもめ号は、基本的に肥前山口が通過となりました(885系の便は全て停車)。ほぉ〜、これが「かつての全列車停車駅」を通過する気分ですか・・・[⑪]

 佐賀県の県庁所在地、佐賀市の中心駅となる佐賀駅で列車を下車します[⑫] [⑬]。今回の旅において、”鉄道で訪れた県庁所在地”の第1号は、ここ佐賀市となりました。
















 佐賀駅にやってきました[①]。最近、JR東日本管内では、「光らない駅名標」が増えつつありますが、同様のものは、JR九州にもあったようです。明るい昼間はまだ良いのですが、夜になると、この仕様の駅名標の撮影には難儀します・・・。

 県としても、そして県庁所在地としても小さめの佐賀は、やはりというべきか、駅前もあまり賑わってはいませんでした[③]。その街の賑わいは、駅前をどれくらいの人が歩いているのかで推し量ることができると考えていますが、その人影もまばらです。まあ、平日の真っ昼間ならこんなものでしょうか。とはいえ、ビル群が居並ぶ光景は、中核都市の景観そのものと言えます[④]

 佐賀駅は高架駅となっていて、新幹線の駅のような雰囲気も漂わせています[⑤] [⑥]。九州は、不思議と代表駅の”高架化率”が高く、2018年9月現在のところで、博多・佐賀・熊本・大分・宮崎が高架駅となっています。残る長崎・鹿児島中央も、長崎については、2020年度に高架化される予定となっていて、地上駅のまま残存するのは、鹿児島中央のみとなる見込みです。

 就職を約2か月後に控えたこの時期になると、まだ大学は卒業していないながらも、「学生(時代)を連想させるもの」がやたらと気になってしまうもので、駅舎内に用意されていた合格祈願の絵馬が目につきました[⑧]。いま思うと、去年の今頃にこの手のものに祈っておけば、就職活動もまた違ったものになっていた可能性が・・・。

 これから乗る列車は、先ほどと同じく、特急かもめ号です[⑨]。次に来る特急かもめ12号は、885系による「白いかもめ」であることを知っています(時刻表にも記載される)が、佐賀駅の発車標では、長崎駅の発車標とは異なり、「白いかもめ」との表記はしないようです。ただ、かもめ100号・103号が787系6両であるのを除けば、885系は6両、787系は7両なので、両数から形式を判別することもできます。

 かもめ12号を待っていると、下りの885系かもめ号がやってきました[⑩]。この編成は、元ソニック用編成です。JR東日本の651系ばりに白の面積が多い885系は、その色の宿命とも言うべきか、どうしても汚れが目立ちやすく、この編成も、車体に水垢らしき汚れが広がっていました[⑪]


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