◆2月14日◆
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※各画像はクリックすると拡大します。

















 今日は朝が早いです。私は、6:15頃には岡山駅にやってきていました[①]

 現状、四国へ行き来できる鉄道路線は、本四備讃線のひとつしかなく、「各都道府県の代表駅を一筆書きの乗車券に収める」という規則を守ろうとすると、四国に行ったが最後、そこで乗車券が途切れます。しかし、今回の旅は、「47都道府県を一気に巡る旅」でもあるので、四国に行かないわけにもいきません。というわけで、岡山まで来たということで、今日からは四国巡りの段階に入ります。

 これくらいの時間帯に岡山駅に来て、かつ四国へ行くとなると・・・、私がこれから乗車する列車は、もうひとつしかありませんね。6:31発の寝台特急サンライズ瀬戸号に乗車して、香川県の代表駅となる高松駅を目指します[②] [③]。今日の最終目的地(江川崎)に行くだけであれば、何もこんなに早い時間に出発することはないのですが、「サンライズ瀬戸号で四国入りする」ということは外せませんでした。

 岡山でサンライズ瀬戸号と出雲号が切り離されます[④]。サンライズ出雲号は、山陽本線を経由して伯備線に入りますが、山陽本線・伯備線直通の列車が発着する1・2番線ではなく、四国方面行きの列車が発着する8番線から発車します。岡山から下りのサンライズ出雲号に乗るという人はあまりいないかと思いますが、乗車の際は注意が必要です(単独運転となるサンライズ出雲91号は1番線から出る)。

 8番線の駅名標[⑥]。「あれ、ラインカラーは?」という声が出てきそうですが、宇野線のラインカラーは、偶然にもJR西日本のコーポレートカラーと同じ青色が割り当てられたため、宇野線の列車が発着するホームの駅名標は、JR西日本の標準様式とほぼ同じデザインとなっています。ただし、駅名板は新しいものに取り換えられたようです(フォント等に変化あり)。

 サンライズ瀬戸・出雲号が入線してきました[⑦]。下り列車を岡山で降りることは数あれども、逆に岡山から乗るというのは、今回から初めてです。サンライズ瀬戸・出雲号での「ヒルネ(いずれもノビノビ座席なので、厳密には異なりますが)」は、過去に米子〜新見、横浜〜東京でやったことがあり、今回が3回目となります。

 7号車と8号車の間で切り離し作業が行われます[⑧]。貫通扉は当然自動で開きますが、その後の幌の取り外しは、手動で行う必要があります。2編成を繋ぐ幌を分離したら、それぞれを畳んで内側に押し込み[⑨]、貫通扉を閉めます[⑩] [⑪]

 サンライズ瀬戸号は6:31発で、サンライズ出雲号は6:34発。切り離し作業が終了すると、瀬戸の方はほどなくして発車するため、すぐに列車に乗り込まなければなりません。さて、私も5号車に乗り込みましょうか[⑫]



















 岡山を発車した列車は、宇野線を進んでいきます[①]。今日の日の出は6:51なので、だんだんと空が明るくなってきました。雲は少なく、夜を思わせる濃い青色から一日の始まりを思わせる焼ける橙色のところまでのグラデーションが、非常に美しいです。

 かつての寝台特急瀬戸号(客車時代)は、岡山〜高松間では、開放式B寝台車に立席特急券で乗車できるという、いわゆる「ヒルネ」が実施されていましたが、サンライズ瀬戸号では、それは実施されていません(まあ、寝台は全て個室ですからね)。そんなわけで、今回はノビノビ座席を利用しています[②]。岡山〜高松間は、普段ならば特急料金は1700円ですが、今日は閑散期なので、1500円となりました。

 児島に到着します[④]。ここが会社間の境界駅となっているため、ホームでは、これから先の区間を担当するJR四国の乗務員が、サンライズ瀬戸号の到着を待っていました。今がちょうど日の出の時刻でもあるため、空はより一層明るくなってきています。

 一般的に、サンライズ瀬戸・出雲号は乗車率が高い(だからこそ存続しているわけですね)と言われていますが、今日の下り便は、乗車率としてはやや低いようでした。安価であり、稼働率も高いノビノビ座席ですが、ご覧のように、未使用の区画が散見されます[⑤]。平日火曜日発・水曜日着で、かつ2月(2月の平日は閑散期扱い)なので、まあこんなものなのでしょうか。

 児島〜坂出間で瀬戸大橋を渡りますが、6:51が日の出という季節に乗ることになったおかげで、今日の日の出は、どうやら瀬戸大橋にて迎えることができそうです[⑥]。児島発車後、ついに太陽の上のへりが見えてきました。太陽の位置は秒単位で上昇し、そのたびに空の色合い、そして周囲の明るさが変わっていきます[⑦]

 そして6:56、その眺めの美しさは、ついに頂点に達しました[⑧]。雲ひとつない晴れ渡った大空、青から橙色への美しき諧調、瀬戸内海に浮かぶ島の数々、平和な時間を感じさせる穏やかな水面、そしてその水面を一直線にこちら側へ駆け抜けてくる一筋の陽射し・・・。このまま駆け抜けてしまうのがもったいない、あまりにも素晴らしい光景が、サンライズ瀬戸号の窓越しに展開されました。

 坂出の工業地帯が見えてくると、まもなく四国に上陸です[⑨]。24時間稼働し続けるプラント群は、今日も朝から煙を上げています。朝陽はとても眩しいくらいのところまで上がり、太陽から放たれる陽光は、サンライズ瀬戸号の車内に真っ直ぐに差し込んできます[⑩]。最高に美しい日の出を眺め、最高に気持ちの良い朝陽を浴びる、寝台特急でのひととき。またとない幸せ、またとない思い出。

 宇多津方面に進む線路と分かれ、こちらは高松方面へと向かいます[⑪]。時々、「高松なら、岡山や児島での乗り換えでもそんなに不便ではないだろうし、児島〜宇多津で松山まで行ってみれば」などと考えるのですが、どうでしょうか。延長運転で松山に行っていたときは、一度高松まで行ってから折り返し、また臨時列車であったために、所要時間に問題がありました。

 高松運転所の車両群が見えると、列車はまもなく終点の高松に到着します[⑬]。そして、岡山から1時間弱で、サンライズ瀬戸号は終点の高松に着きました[⑭]。岡山〜高松間のみの乗車でしたが、なかなか「中身」のある時間でした。












 四国で最初に制覇した都道府県は、香川県(高松駅)となりました[①]。その駅名標は、香川オリーブガイナース(独立リーグの野球チーム)や駅ナンバリング、「うどん県」のシールなどが貼り付けられていて、「そろそろ全てを印刷した新しいものに取り換えても良いのでは」と思いました。

 高松駅に停車するサンライズ瀬戸号[②]。この時間帯の高松駅は、ホームの容量に比較的余裕があるのか、7:50に回送列車として発車するまで、約23分間に渡って6番線に停車し続けます。入線が早く(東京入線は21:35)、到着後の停車時間が長いというのは、いかにも長距離列車らしいことです。「(東京では)暗いので写真がうまく撮れなかった」という人も、高松で思う存分に写真が撮れますよ。

 小さな窓が上にも下にもびっしりと並ぶ、ノビノビ座席車両の独特の外観[③]。ノビノビ座席の各区画は、小田原〜熱海の海沿いの区間では海側となり、児島〜坂出の瀬戸大橋の区間では東側(=太陽が昇る側)となるため、車窓には恵まれます。山側には富士山が展開されますが、通常のダイヤでは、上下列車とも、夜のうちに富士山付近を通過するため、富士山を意識するのは無意味です。

 先ほど、「ノビノビ座席の乗車率はさほどでもなかった」ということを述べましたが、今日の便に関しては、個室寝台車の稼働率も、やはりイマイチのようでした[④] [⑤]。もっとも、乗る側からすると、毎日が満員御礼であると、「ふと思い立ったときに乗る」ということができないので、80〜85%くらいの乗車率でいてくれるのが良いかもしれません。

 岡山行きの快速マリンライナー14号が発車を待っていました。マリンライナー号は、通常は5両編成で運転されますが、通勤・通学時間帯の上り列車は、2両を増結した7両編成で運転され、14号はそのうちの1本となっています[⑦]。6号車・7号車の表示を行うマリンライナー号は貴重です。


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