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 予讃線の電化区間の終わりとなる伊予市駅[①]。それと同時に、新線と旧線の実質上の分岐駅でもあります(厳密には、先ほども述べたように、ひとつ隣の向井原が分岐駅ですが、特急列車は全く停まりません)。

 気動車のキハ54形と電車の7000系が停車しています[②]。しかし、悲しいかな、どちらも1両です。「旺盛な需要に支えられる電化路線と、ローカルな需要しかない非電化路線」といった図式ではありません(例えば、木更津は内房線の15両の電車が来ますが、久留里線は1両もあり得ます)。ホームの有効長もかなり持て余しています。

 JRの伊予市駅のほど近くに、伊予鉄道の郡中港駅があります[④]。松山市駅とを結ぶ郡中線の駅で、日中でも毎時4本の本数を確保しているなど、予讃線よりも圧倒駅に便利です(松山駅と松山市駅の立地の違いも含めて)。「近郊の移動は私鉄で、遠距離の移動は国鉄(JR)で」という、一昔前のイメージを今に残しているかのような両者です[⑤]

 平日の昼間とはいえ、他に誰もおらず、蛍光灯も全て消灯してどこか薄暗い感じのある駅舎内[⑦]。もっと採光性に優れた窓配置ならこれでも良いのでしょうが、大して光が差し込んでくるわけでもないので、本当に薄暗い・・・。


















 下りの特急宇和海15号に乗車して、予讃線の終端となる宇和島を目指します[①]。心の片隅で「TSEが来ないだろうかな」という淡い期待を抱いていましたが、普通の2000系が充当されていました。なお、TSEについては、2018年3月のダイヤ改正で予定通りに定期運用を終了・引退し、結局1度だけ偶然に乗れたじまいとなってしまいました。

 宇和海号は、うずしお号と同様に、短編成を主体とした自由席需要の高い列車であるため、指定席はおまけ程度にしか設けられていません。そのため、1両を途中で自由席と指定席とに分けるということも行われています[②]。とはいえ、「グリーン車と普通車の合造車」といった類のものではないので、間に仕切りなどはなく、座席カバーの色で区別されているだけです(指定席:青、自由席:白)。

 予讃線の新線と旧線とが分岐する本当の駅、向井原を通過[③]。同駅を通過すると、旧線はほどなくして右側へ分かれていき、そして高架も終了となります。旧線はこの先海沿いのくねくねとした道のりを進んでいきますが、こちらはトンネルを貫きつつ真っ直ぐ走ります。

 伊予大平〜伊予中山間にある、全長約6kmの長いトンネルを抜けると、その先は銀世界でした[④] [⑤]。それも「うっすら」というようなものではなく、本当に除雪が必要な「積雪」でした。このあたりも同じ伊予市内なのですが、山を越えると、その気候が全く違うことがあるようです。四国で大雪が降ったとは聞いていましたが、これほどとは。

 まだまだ雪が残る内子駅に到着[⑥]。ここだけを見ると、とても四国の駅とは思えませんね。ディーゼル特急が停車しているという状況も相まって、まるで初冬の北海道の駅のようにも見えます。この先、雪国を多数通過することに備えて、靴や服は、それに対応したものを準備していますが、四国でこれほどの雪に遭うとは思いませんでしたね[⑦]

 新線と旧線が合流する伊予大洲に着きました[⑧]。ここも雪は残っていますが、その量はだいぶ減りました。平地の日陰にいくらかの残雪がある程度です。空はよく晴れていて、ようやく四国らしい景色が戻ってきました[⑨]

 別府・臼杵との間に航路を持つ八幡浜[⑩]。この地域から陸路で九州へ向かおうとすると、相当な遠回りをする羽目になるので、海上を横断して四国と九州を結ぶこの航路には、結構な価値があるようです。鉄道好きの人々の間でも、特に青春18きっぷを利用している人たちの間で、四国と九州を効率よく移動する手段として、人気を博しているとか。

 向井原〜伊予大洲間を結ぶ旧線は、かなりの区間で海沿いを走りますが、伊予大洲から宇和島までの区間では、意外なことに大部分で内陸を走っていて、海はほとんど見られません。予讃線というと、結構「海沿い」のイメージがあるのですがね。伊予吉田を発車した後、ごく一瞬だけチラリと見えるものが、伊予大洲以南では唯一の「海景色」です[⑪]

 まもなく終点の宇和島です[⑫]。高松〜宇和島間を結ぶ一大幹線、予讃線はここで終了します。高松から宇和島までの距離は、全線予讃線経由で297.6km、内子線経由で291.3kmと、そこまで長いものではありませんが、かつては夜行で走る急行列車もありました。もっとも、現在はいしづち号と宇和海号を乗り継いで4時間程度なので、それほど大変な道のりではありません[⑬]

















 予讃線の終点、宇和島[①]。「G」の駅ナンバリングは予土線のものですが、予土線と予讃線が接続するのは、ひとつ隣の北宇和島駅となっています。北宇和島〜宇和島間には、”分岐駅通過”の特例が設定されていますが、今回は四国グリーン紀行を使用しているので、それとは関係なしに宇和島駅の外に出ることができます。

 自転車を輪行袋に入れずに列車内に持ち込めるというサービス、「サイクル宇和海」[②]。自転車を保管しておける「サイクルルーム」を備えた車両には、専用のロゴが貼付されています[③]。このような「列車に自転車を持ち込める」というサービスは、最近にわかに流行っているようで、秋田の由利高原鉄道や、JR東日本のB.B.BASE等でも実施されています。

 車止めによって途切れる線路[⑤]。瀬戸大橋が開通したことによって、四国島内だけで構成されていた路線網は、全国津々浦々の線路と繋がることになりました。青函トンネルの開通も相まって、まさに北から南まで、全国の線路がひとつながりになりましたが、北海道新幹線の開業によって、在来線で北海道へ渡ることはできなくなりました。

 今日はこの後、予土線を進んでいきます[⑥]。宇和島のひとつ隣の北宇和島と、窪川のひとつ隣の若井を結んでいる路線で、起終点の駅がいずれも中途半端です。しかも、若井は、土讃線ではなく、土佐くろしお鉄道中村線の駅であるため、若井〜窪川間は、JRではないところを走ります(四国グリーン紀行では別途の精算は不要)。ややこしい。

 宇和島といえば闘牛[⑧]。駅前には、牛の立派な銅像が設置されています。毎年7月22日〜24日には、「うわじま牛鬼まつり」が開催され、これに合わせて、まつりの最終日の24日には、宇和島〜松山間に臨時特急「牛鬼号」が運転されるのが通例となっています。定期の最終上り宇和海号よりも後に宇和島駅を出る設定となっていて、まつりを遅い時間帯まで見届けることができます。

 宇和島駅は、JR四国が運営するホテル、ホテルクレメント宇和島を併設しています[⑩] [⑪]。駅から徒歩0分という立地が、何よりもの強みです。2011年4月に四国を旅行した際に宿泊した場所であり、ある意味では、「思い出のホテル」でもあります。当時は、ここが「一人旅における、人生で3泊目のホテル」でしたが、あれ以降、ホテルでの宿泊は、いったい何回を数えたことでしょうか。

 予土線直通の列車に乗車します。15:35発の窪川行きに乗ります[⑫]。0系のような姿をした噂の車両、「鉄道ホビートレイン」で運転される列車なのですが、そのことは発車標でも伝えられていて、「(鉄道ホビートレイン)」の表示がついています。


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